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【インドネシア】溶接コンテスト、非日系企業参加者が初優勝[製造](2018/10/18)

岩谷産業は17日、企業の溶接技能者の技能向上を目的に実施した、溶接コンテストの成績優秀者に対する表彰式を行った。3回目となるコンテストで、今年初めて非日系企業の参加者が優勝した。過去2回の優勝者はいずれも日系企業に勤務していた。コンテストで今年から始めた新たな試みとして、一定水準以上の成績を収めた参加者に、インドネシアの能力認定国家機関(BNSP)が認定した溶接専門職業資格検定機関(LSP―LAS)の認証を付与。コンテストの上位入賞者を含む5人が認証を取得した。

溶接コンテストで優勝したラマダニさん(右)にトロフィーを授与する岩谷産業の谷本社長=17日、ジャカルタ(NNA撮影)

溶接コンテストで優勝したラマダニさん(右)にトロフィーを授与する岩谷産業の谷本社長=17日、ジャカルタ(NNA撮影)

優勝したのは重機大手ユナイテッド・トラクターズのグループ会社、ユナイテッド・トラクターズ・パンドゥ・エンジニアリングに勤めるラマダニ・ルトゥフィ・ムクタフィさん(21歳)。「溶接コンテストに参加したのは初めてなので、優勝はとてもうれしい」と話した。溶接技術は幅広い産業で必要とされると考えて、技術系の高校に進み溶接の勉強を始めたという。

コンテストは岩谷産業、現地法人のイワタニインダストリアルガスインドネシアと、インドネシア溶接協会(API)が共催した。8月に西ジャワ州ブカシと、バンテン州セランの2会場で予選を実施、建機、自動車、造船、建設、製缶業、圧力容器・鉄鋼構造物などの日系、非日系メーカー合計77社から141人が参加した。

このうち30社の計40人が、9月に行われた本選に進んだ。非日系企業は13社の18人だった。

岩谷産業の谷本光博社長は、表彰式にあわせてジャカルタを訪問、この日行った会見で、「コンテストには地場企業の参加も多く、インドネシア人溶接技能者の技術向上のお手伝いができていると手応えを感じている」と述べた。今年は初めて東ジャワ州スラバヤの企業からも参加者がおり、「コンテストの認知度が年々高まっていることを実感している」と話した。

■国際水準の認証を付与

LSP―LASは、これまで独自の基準で溶接工に認証を付与しており、その数は約6,000人に上る。今年からは国際溶接学会(IIW)に準じて審査基準を設定し、基準を満たした溶接工に対し、認証の付与を始めた。関係者によると、日本でいえば「JIS溶接技能者評価試験」に近い位置付けという。

コンテストでは、実技試験、安全行為、筆記試験の三つについて、それぞれ基準点を全て満たした参加者に、認証が付与された。LSP―LASが外部機関が実施するコンテストで認証を付与したのは今回初めて。

インドネシアでは資格を持たなくても溶接に従事することはできるが、企業が認証を取得した社員を確保することで、品質向上をアピールできるようになる。

インドネシア溶接協会(IWS)幹部のエディ・ディアルマン氏は、年内に800人以上、来年は1,500人の溶接技能者に認証を付与したいと述べた。

岩谷産業とのコンテストについては「現在はジャカルタ首都圏の参加者が中心だが、2年後をめどに全国各地の都市で予選を実施し、本選をジャカルタで行えるほどに規模を拡大させたい」と述べた。

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