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【台湾】中国製ウエハーの輸入解禁、国貿部が保留[IT](2018/07/18)

半導体シリコンウエハーの品不足が深刻化する中、3大サイエンスパークの入居企業で組織する台湾科学工業園区科学工業同業公会が、中国からの12インチウエハーの輸入解禁を経済部(経済産業省)に求めている。ただ経済部国際貿易局(国貿局)は直近の審査で決定を保留し、案件ごとの輸入に限り認める考えを示した。

17日付自由時報によると、同公会は今年初め、台湾の安全に危害を加えず、産業に重大な悪影響がないことを前提に、中国製12インチウエハーの輸入を解禁するよう国貿局に申請した。これを受けて、経済部は6月末に審査会を開催。業界団体の台湾半導体産業協会(TSIA)は、「12インチウエハーの需要が供給を大きく上回り、世界的にも需給がひっ迫していることから、自由競争の原則のもと、悪影響がなければ輸入に同意する」として輸入に同意した。

しかし、台塑関係企業(フォルモサプラスチックグループ、台プラ)傘下の台塑勝高科技(FST)は、「台湾の顧客の間で品不足は起きていない。仮に台湾への輸入を解禁すれば価格競争が激化し、台湾のシリコンウエハー産業に大きな打撃を与える」と主張。太陽電池用シリコンインゴット・ウエハー大手、中美セキ晶製品(セキ=石へんに夕、中美晶)傘下で、シリコン単結晶インゴットなどを手掛ける環球晶円も、「中国製品の輸入を解禁するのであれば、定期的な審査メカニズムや案件ごとの審査体制を確立し、台湾の業者の権益を保証するべき」としていた。

国貿局によると、中国製品の輸入解禁基準は比較的厳しいため、域内の関連メーカーの意見聴取を行った上で解禁の是非を協議する方針。案件ごとの輸入では、企業からの輸入申請を受けた後、域内での生産状況や特殊需要の有無などを鑑み、審査を行うとしている。

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