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【フィリピン】刑務所の収容者数、定員の7倍超に拡大[社会](2018/07/05)

フィリピンの監査委員会(COA)がこのほど発表した刑務所管理局(BJMP)に関する報告書によると、2017年末の全国の刑務所の収容者数が、定員の7.1倍に拡大した。16年末は6.1倍だった。深刻な過密状態は収容者の健康面にも影響するとして、全国で刑務所の新設を進めるよう政府に勧告している。

昨年末時点の刑務所の定員2万653人に対し、収容者数は前年末比15%増の14万6,302人だった。BJMPが17年に釈放したのは、15年の4万7,356人を1万人以上下回る3万6,330人だった。

COAは「麻薬犯罪の取り締まり強化が収監人数を増大させる一因となっている」と言及。保釈金を払えない貧困層の人々が刑務所にとどまらざるを得ない状況にあるという。

今年3月時点で刑務所は全国で482カ所。地域別の収容率(収容人数の定員に対する比率)は、カラバルソン(南部タガログA)が975%で最大だった。中ルソンが802%、サンボアンガ半島が789%で続いた。ミンダナオ・イスラム教徒自治区(ARMM)を除く全ての地方で3桁の収容率となった。ARMMは、定員275人に対し139人が収容されていた。

刑務所の過密は、健康被害の原因にもなるとCOAは警告する。刑務所内での発病件数は、17年は25万7,587件と、16年の19万1,550件から36%増加した。内訳は上気道感染症が最多で、高血圧が2番目に多かった。

COAはまた、全国の刑務所が国連の定める「被拘禁者処遇最低基準規則」を満たしていないと非難。刑務所を増設すること、地方政府から資金を募ること、未使用の部屋があれば収監スペースに転用することなどを勧告した。

4日付インクワイラーによると、現在、マニラ首都圏を含む全国の16自治体で刑務所の新設が進行中。このほか、BJMPはカラバルソン地方などの刑務所の新設にも予算を配分したという。

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