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給与のルール、知らないと損をするかもしれません!

camera_alt (写真=Zerbor /Shutterstock)

給与計算の仕組みについて、ご存知でしょうか。給与を支払う会社も、給与をもらう社員の方も、意外と知らないことがあるように思います。

今回、給与に関しまして、知っておいたほうが良いことをご説明していきます。ご説明できる内容は一部となってしまいますので、細かい論点は税理士や社会保険労務士に相談をして判断することをおすすめします。
ただ、どのような論点があるかを知っておくことで、注意すべき点が分かるかと思います。その指標となれば幸いです。


1. 給与のルールを知ることで…

規模の小さい会社ですと、知らずに誤った計算をしており、後になって社員から指摘される場合もあります。近年、残業代の未払が問題となりましたが、社員数や給与の金額が多いほど、指摘されてから払うべき金額も膨大となり、会社に与える影響が大きくなります。
会社にとって、事前に知識を付けておくことで社員とのトラブルやリスクを回避できるかと思います。一方、社員の方にとっても、本来もらえるべき給与がもらえているか否かを確認出来るかと思います。


2. 給与明細書の項目

給与明細書の項目は、基本的に決まっています。主に以下の項目があります。給与明細書をご覧ください。

〈支給項目〉
・基本給
・諸手当(役職手当、家族手当、資格手当…)
・残業手当 (下記3.(1))
・欠勤控除
・通勤手当 (下記3. (2)

〈控除項目(社保)〉
・健康保険料 (下記3. (3) )
・介護保険料 (下記3. (4) )
・厚生年金保険料 (下記3. (5) )
・雇用保険料 (下記3. (6) )
〈控除項目(税金)〉
・所得税 (下記3. (7) )
・住民税 (下記3. (8) )


3. 特に気になる点

上記2.の項目のうちいくつかご説明します。

(1.) 残業手当

残業手当は一定の要件に該当する場合に支給されます。計算方法は以下の通りです。
・ 残業手当=1時間あたりの賃金(給与月額※/1か月の所定労働時間)×割増率
(下記表参照)×残業時間

※給与月額は、条件に限らず毎月固定で支払われる諸手当も含みます。交通費は含みません。

主な支給要件、割増率は以下の通りです。労働基準法で決められておりますので、以下の通り支給されていない場合は、労働基準法違反となります(例外もあります)。

事例1 1日に8時間超、かつ、深夜22時から5時までの勤務時間は、割増率50%以上(25%+25%)となります。

事例2 1日7時間ずつ労働した場合、以下、簡単なイメージ図です。(起算日、法定休日は会社によって異なります。例として、起算日を月曜日、法定休日を日曜日としています。)

土曜日: 1週間40時間超の労働時間2時間が割増率25%以上となります。

(計算式:7時間×6日=42時間 42時間-40時間=2時間 ←25%以上)
日曜日: 法定休日に労働していますので、出勤時間7時間が割増率35%以上となります。(振替休日の場合25%以上です。振替休日とする場合、一定の要件があります。)

(2.) 通勤手当

通勤に要する金額に対して支払われる手当です。必ず支払わなくてはならないものではありませんが、多くの会社が支払っています。

(3.) 健康保険料

社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険)は、適用事業所とそうでない事業所があります。因みに法人は強制加入です。ただし、アルバイト等の方は、所定労働時間が常時雇用者の4分の3以上であることなど、一定の適用要件があります。
社会保険料は、標準報酬月額表より確認します。日本年金機構のHPなどで参照することができます。標準報酬月額とは、以下4つの方法により決めた金額です。以下の4つの場合には健康保険料が変わります。介護保険料、厚生年金保険料についても同様です。

・資格取得の際(入社した場合)
・定時決定の際(1年に一度の見直しの時期)
・随時改定の際(昇給があった等一定の要件に該当した場合)
・育児・産前産後休業終了時改定の際(育児・産前産後休業終了した場合)

補足ですが、産前産後休業、育児休業時には保険料が免除されます。要件や手続きがありますのでご注意ください。上記事項も含め、不明な点は年金事務所に問い合わせをすることをおすすめします。
健康保険料率は毎年3月分(4月納付分)から変わりますので、その都度ご確認ください。

(4.) 介護保険料

介護保険料は社会保険料の一つです。基本的な計算方法は健康保険料と同様です。40歳から徴収される点が健康保険料等とは異なります。介護保険料率は3月頃に変わります。

(5.) 厚生年金保険料

厚生年金保険料も社会保険料の一つです。基本的な計算方法は健康保険料と同様です。厚生年金保険料率は9月分(10月納付分)から変わります。

(6.) 雇用保険料

雇用保険は、原則、労働者が一人でもいれば適用事業となります(農林水産業の一部を除く)。ただし、アルバイト等は、1週間の所定労働時間が20時間未満、契約期間が31日未満の場合など一定の要件に該当した場合、適用除外となります。
計算式は以下の通りです。雇用保険料率は、4月に変わる可能性があります。その都度ご確認ください。

・総支給額(基本手当+諸手当+残業手当+…+通勤手当)×雇用保険料率

(7.) 所得税

毎月、源泉徴収税額表のとおり所得税が課されます(電算機計算の特例という方法もあります)。会社は、毎月若しくは半年に一度(7月10日、1月20日)給与から控除された所得税を税務署に納付します。年末調整で年税額が決まります。
毎月の給与から控除されている源泉所得税と年末調整で計算した年税額との差額が、12月頃に徴収または還付されます。会社によっても異なりますが、年末調整をしている場合、12月支給の給与明細書の所得税欄は、金額が前月と大きく変動していたり、表示が異なっていたりします。

(8.) 住民税

都道府県民税と市区町村民税を合わせた税金です。前年1月1日から12月31日までの所得に応じて税額が決まり、翌年の給与から控除されます。会社の処理は下記の通りです。
住民税の納税方法には「特別徴収」(給与からの天引き)と「普通徴収」(各自で納付)の2種類があり、給与の支払いがある場合には特別徴収(給与からの天引き)が原則となっています。

以下、会社の処理です。
・毎月、給与から控除される住民税額は基本的に同額となります。6月で金額が切り替わります。(6月に端数が調整されますので、基本的に6月で金額が変わり、7月~翌年5月までが同額となります。市区町村から通知が届きますので、その金額を計上します。)
・毎月翌月10日までに給与から控除した住民税を納付します。
・社員が退職した場合、異動の手続きをします。
・1月末までに、給与支払報告書を各市区町村に提出します。


4. まとめ

給与計算の誤りによって、後になって多額の未払金、延滞税などが発生する場合もあります。主な内容として上記の通り纏めましたが、上記の内容で一冊の本になる程ですので、細かい論点は専門家に相談した方が良いかと思います。


南青山リーダーズ株式会社 編集部

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