償却資産税とは?
償却資産税とは?
事業者の皆さんは、償却資産税を意識されているでしょうか?
法人税や所得税、消費税に比べると、あまり意識されていない事業者が多いような気がいたします。そもそも、償却資産税を知らないという事業者もいるかもしれません。
そもそも償却資産税とは何でしょうか?償却資産税は、市区町村が固定資産に対して課税する固定資産税の一部です。事業用の償却資産(減価償却の対象となるような機械、器具・備品、建物の附属設備などといった一定の資産)に対して課される固定資産税を、土地や建物に課される固定資産税と区別して償却資産税と呼ばれています。
償却資産税の仕組み
償却資産税の税率は1.4%です。1月1日に所有している事業用の償却資産の課税標準額に1.4%を乗じた額が償却資産税として課税される仕組みになっています。ただし、課税標準額が150万円未満の場合、課税されません。
どのような資産が該当するのか?
償却資産とは、土地及び建物以外の事業の用に供することができる資産のことをいいます。次の6つに分類され、具体的には次のようなものが該当します。
資産の種類 具体例
※ 建物付属設備や内部造作等については、家屋と一体か、独立性が強いものか、さらには、自己所有家屋か、賃借家屋(テナント)かで、取扱いが異なったりしますので、注意が必要です。各市区町村の「償却資産と家屋の区分表」をご参照下さい。
また、中小企業特例を適用した場合など、経理方法により、申告対象となるのか?申告対象外になるのか?の取扱いも異なります。一覧にすると以下の通りです。
償却資産の提出期限、提出先は?
提出先は、資産が所在する市町村であり、1月1日現在所有している償却資産を、その年の1月31日までに申告します。事務所や店舗を複数の市区町村に設置している場合は、各市区町村に申告しなければいけません。
償却資産を有しない場合や課税標準額が150万円未満の場合でも償却資産の申告書は提出しなければいけません。
※ 市町村によっては、提出省略等が可能な場合もございます。
どのように納付したらいいですか?
上記申告した内容に基づいて、各市町村から課税標準額、納税額を決定(賦課決定)された納付書が送られてきます。通常4回の納期に分けて納付することになります。納付書で納付するだけでなく、口座振替で納付することもできます。
償却資産税は、いくら払わないといけないですか?
償却資産税の納付金額は、市区町村で決定され、当該金額は次のように計算されます。
課税標準額(千円未満切捨)×1.4%(税率)=年税額(百円未満切捨)
課税標準額が150万円未満の場合は課税されませんが、150万円以上の場合は課税標準額全体に対して課税されます。この150万円は控除されるわけではありませんので、誤解のないようにしてください。
課税標準額とは、市町村が償却資産1つ1つ「耐用年数」「減価率」を用いて計算した「評価額」の合計金額のことをいいます。減価率表は以下になります。
終わりに
実際に事業の用に供している資産が、償却資産として申告の対象となるかの判断も、なかなか難しいものです。特に、建物付属設備の判断は難しいでしょう。実際に申告をされる際には、担当税理士によく相談するようにして下さい。
南青山リーダーズ株式会社 編集部