お金の流れを知ろう!キャッシュフロー計算書を作りましょう!
キャッシュフロー計算書とは?
決算報告書をみてみると貸借対照表(BS)や損益計算書(PL)に続いて、キャッシュフロー計算書(CF)というものがあります。キャッシュフロー計算書とは、財務諸表の一つに位置付けられており、その名のとおり、キャッシュ(お金)のフロー(流れ)を計算するために作られています。
1. キャッシュ≒現金預金
キャッシュフロー計算書におけるキャッシュとは「現金及び現金同等物」のことを意味します。つまり、貸借対照表上でいう『現金』のほかに、『普通預金』、『当座預金』、『定期預金(預入期間が3ヶ月以内)』、『コマーシャルペーパー※』が挙げられます。
※企業が事業に必要な資金を調達するために発行する短期(主に30日以内)の無担保約束手形をいいます。
2. キャッシュフローの分類
キャッシュフロー計算書の内訳として、①営業活動によるキャッシュフロー、②投資活動によるキャッシュフロー、③財務活動によるキャッシュフローの3つに分類されます。
① 営業CF=会社が本業から獲得した資金
その会社が本業の営業活動からどれだけのキャッシュを稼いだのかを示します。
② 投資CF=企業の将来に対する投資
固定資産および投資有価証券といった将来の利益獲得及び資金運用のためにどの程度の資金を支出し、または回収したのかを示します。
③ 財務CF=企業の資金の余裕度
金融機関からの資金調達・返済および株式発行による資金調達・配当金の支払い、社債発行による資金調達・償還の財務状況を示します。
3. 具体例
4. チェックポイント!
■営業CF(①)本業でのキャッシュの流れを表しているため、プラスであることが望ましいです。マイナスになる場合は、投資資金を自己資金でまかなうことができないことを示しています。マイナスになる要因の把握が必要といえます。
■投資CF(②)
マイナスの場合は、投資を多く実施しているため、資金の支出が多くなっている状態です。支出額は最大でも、営業キャッシュから生み出される金額の範囲内であるべきでしょう。仮に営業キャッシュ以上の金額で投資を実施するとなると銀行など外部から資金を集めなければならず、その分金利負担が大きくなってしまいます。
プラスの場合は、保有資産を売却して、キャッシュを生み出していることになるため、本業での資金繰りが厳しいと想定されます。売却した資産の状況、売却することとなった要因を把握しておくことが必要といえます。
■財務CF(③)
マイナスの場合は、金融機関からの借入金の返済、社債の償還が進んでいるケースが多いです。返済ができているという判断ができますが、投資CF同様、営業キャッシュの範囲で捻出されているか確認することが必要です。
プラスの場合は、借入(借金)が増えたということになりますので、資金が必要となった理由や返済スケジュールを明確にしておく必要があります。
5. 月次キャッシュフロー計算書をつくりましょう
はじめに述べたとおり、キャッシュフロー計算書は財務諸表のひとつですので、決算時にのみ確認をしている、という方もいるかもしれません。その場合、損益計算書上利益が発生していても、入金にタイムラグが生じ、結果、キャッシュが足りない!ということにもなりかねません。貸借対照表、損益計算書と同様、キャッシュフロー計算書も毎月作成し、前月比較や前期比較を定期的に行うことが大切です。
南青山リーダーズ株式会社 編集部