スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト

消費税お役立ち豆知識

経営者の皆様にとって事業を行う以上、消費税は避けて通ることのできない存在です。今回は経営に役立つ消費税の豆知識として、以下の3項目についてご紹介いたします。

1. 消費税の非課税取引
2. 本則課税か簡易課税か
3. 消費税に関する届出書は提出期限に注意!

消費税は、事業を行う以上、赤字でも負担しなければならない場合があり、資金繰り上注意が必要な税目です。納付期限ぎりぎりになって慌てることのないよう、事業年度の節目、節目で消費税の概算額をチェックする習慣を付けて頂きたいと思います。

消費税の非課税取引

皆様はどんなものに消費税がかかり、どんなものにかからないか、ご存知ですか。これを知っておくと、ちょっとした節税ができたり、社会問題への理解も深まったりしますので、簡単にご紹介します(主なものを抜粋)。

① 土地の譲渡及び貸付
② 住宅の貸付
③ 有価証券、支払手段(紙幣、小切手等)、商品券、プリペイドカード等の譲渡
④預貯金の利子、保険料
⑤医療の給付等
⑥印紙の売渡し場所における印紙の譲渡
⑦学校教育

②の住宅の貸付ですが、礼金や更新料は非課税ですが、事務所や店舗には課税されます。住宅であっても、1ヶ月未満の契約だと課税されますので、ウィークリーマンションなどを利用する場合は注意して下さい。
⑤は、保険診療には消費税はかかりません、ということです。ただし、健康診断や予防接種、歯列矯正やインプラント等の自由診療、入院時の個室代(差額ベッド代)などには消費税がかかります。
⑥の印紙は、「印紙の売渡し所」で買うと非課税です。売渡し所とは、郵便局や法務局などです。逆に言えば、「印紙の売渡し所」以外で買えば、課税ということで、つまり印紙を金券ショップで買えば、仕入税額控除ができるようになります。

上記は消費税の性格から課税の対象としてなじまないものや、社会政策的配慮から非課税という取り扱いになっています。この他にも、モノやサービスの「対価」でないために消費税がかからない(課税対象外)ものがあります。保険金、損害賠償金、宝くじの当選金などです。

本則課税か簡易課税か

消費税の計算方法には、本則課税以外に、基準期間の課税売上高が5千万円以下で事前に届出書を提出すれば、簡易課税制度という計算方法の適用を受けることができます。
ただし、簡易課税制度は必ずしも有利になるとは限りません。主なデメリットは、以下の2つです。

① 2年間の継続適用義務
② 還付を受けることができない

簡易課税制度は2年間の継続適用が義務付けられています。従って、簡易課税の適用は2年先の設備投資まで視野に入れた上で検討する必要があります。
また、簡易課税では、課税売上高から仕入控除税額を見積計算するため、多額の設備投資などで支払った消費税が預かった消費税を上回る結果となった場合でも、消費税の還付を受けることができません。
簡易課税制度にはこのようなデメリットがありますが、消費税の計算が簡単になる、簡易課税制度を利用することで納税額が少なくなる場合があるなどメリットもありますので、将来の事業計画や、売上・経費の見込みなど、慎重に検討した上、簡易課税制度を選択するか否かを判断して下さい。

消費税に関する届出書は提出期限に注意!

消費税に関する届出書は多々ありますが、いずれも提出期限が重要です。特に、適用を受けようとする課税期間が始まる前日までに提出しておかないと適用を受けることができない以下の届出書については注意が必要です。
① 課税事業者選択届出書と課税事業者選択不適用届出書
② 簡易課税制度選択届出書と簡易課税制度選択不適用届出書
③ 課税期間特例選択・変更届出書

さかのぼっての届出は認められませんので、早め早めに検討し対応することが大切です。

ここで一つ、ケーススタディです。
『12月決算法人で、消費税の免税事業者が、当期の4月に大型投資を予定しており、還付を受けるために前期末までに課税事業者選択届出書を提出すべきところ、失念してしまったという場合、どうにかならないでしょうか。』
この場合、「課税期間を短縮する」という対処方法があります。3月中に、課税期間特例選択届出書を提出することにより、同じ3月中に課税事業者選択届出書を提出すれば、4月から課税事業者となることができます。ただし、適用を受けた日から2年間は課税期間が短縮されたままになるので、ご注意下さい。

おわりに

以上、消費税の豆知識、お役に立ちましたでしょうか。
消費税は、事業を行う以上、赤字でも負担しなければならない場合があり、資金繰り上注意が必要な税目です。納付期限ぎりぎりになって慌てることのないよう、事業年度の節目、節目で消費税の概算額をチェックするようにして頂ければと思います。

南青山リーダーズ株式会社 編集部

関連記事

公式Facebookページ

公式Xアカウント