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課税期間の短縮によるメリット:消費税

(写真=Virojt Changyencham /Shutterstock)

消費税の課税期間についての概略

消費税の課税期間は原則として、

  • 個人事業者・・・1月1日~12月31日までの期間
  • 法人 ・・・事業年度

となっています。

なお、会社設立の場合の法人の課税期間については、設立登記の日~定款で定める事業年度終了の日までの期間が最初の課税期間となります。

この課税期間については、納税者の選択によって3か月毎、または1か月毎に変更することができます(消費税法19条)。
(参照:タックスアンサー「課税期間」)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6137.htm

この場合、その適用を受けようとする課税期間の前日までに、「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

課税期間の短縮を選択することによるメリットとデメリット

メリット

消費税の還付を早く受けることができる
大きな設備投資を行ったことに伴う消費税の還付、貿易業や輸出業を行っている事業者が輸出免税により消費税の還付を受ける場合には、課税期間を短縮することによりその還付を早期に受けることができます。
通常の事業年度(ほとんどの場合が1年になります)通りに課税期間を設定している場合は、1年分をまとめて申告して還付を受ける、という手続きになります。
ところが、課税期間を3月毎、または1月毎に短縮している場合は、3月毎または1月毎に申告して還付を受けることができます。

資金繰りが楽になる
特に貿易業や輸出業者の場合は、上記の様に課税期間を短縮することにより早期に還付を受けると資金繰りが楽になります。

各種届出書の提出時期を選択できる
消費税には法人の意思で選択できる取り扱いが複数存在しており、今回ご紹介している「課税期間の短縮」もその一つで、その他「簡易課税制度」などがあります。これらの取り扱いを選択する場合には、それぞれ届出書を提出する必要があります。
この届出書の提出期限については法定されており、事業年度終了の日までなのか、確定申告書の提出期限までなのか、といった様にすべて同じというわけではありません。
届出書の提出期限を過ぎてから、何らかの理由により適用を受けたい、という場合などにおいて、課税期間を短縮することにより、1年を待たずに希望の制度を適用することが出来る場合もあります。

デメリット

手続きが煩雑になる
課税期間を3月毎または1月毎に短縮すると、当然に3月毎または1月毎に消費税の申告をしなければなりません。これは「確定申告」になりますので、いわば短縮した期間毎に決算を組むことになります。

適用開始以後2年間の拘束を受ける
いったん課税期間の短縮の規定の適用を受けると、2年間は継続して適用しなければなりません。したがって上記のように、2年間は短縮した期間毎に決算を組む必要があります。

課税期間をもとに戻すには届出書の提出が必要
消費税の課税期間の特例制度の適用を受けることをやめる場合には、新たに課税期間特例選択不適用届出書を提出することが必要です。この不適用届出書が提出された場合は、提出があった日の属する課税期間の末日の翌日から効力が発生することになります。

提出が有効となれば、事業年度が課税期間となることになります。ただ、課税期間特例選択・変更届出書を提出してから2年経過後でなければ、不適用届出書は提出できませんので注意が必要です。

以上のように、課税期間を短縮することには、それぞれメリットとデメリットが存します。
最大のネックは「手数が増える」ことであると思われます。しかし、手数を費やしてもメリットを取りたいという法人も多いかと思いますので、その場合は費用対効果を十分に考慮して、採用するか否かを検討してください。

南青山リーダーズ株式会社 編集部