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確定申告がクレジットカード使用可能に

camera_alt (写真=A. and I. Kruk/Shutterstock.com)

平成28年度税制改正により平成29年1月から国税のクレジットカード納付が可能となりました。確定申告も、これまでの現金払い、e-Tax 、銀行口座からの納付に加え、クレジットカードによる納付という新しい選択肢が設けられました。

クレジットカード使用が可能な税金

税金の全てにクレジットカード使用が可能という訳ではありません。税金は国税と地方税があります。このうち下記表の、国税に分類される税金の支払いにクレジットカード使用が可能となっています。

クレジットカードによる支払の魅力

● 夜間休日を問わず24時間いつでも利用可能となる。

現金に納付書を添えて納付する方法で、金融機関又は所轄の税務署の窓口で納付する場合は、支払い先に出向き窓口が開いている時間にしか納付する事ができません。

また、コンビニエンスストアで納付する場合は、金融機関又は税務署に比べて場所的、時間的な融通が利きますが、納付税額が30万円以下に限られています。

この他、指定した金融期間の預貯金口座から振替納付する場合は、口座振替依頼書を金融機関に提出する必要があります。e-Taxによる納付する場合は、専用のカードリーダーの準備や、ソフトのダウンロードなどの事前準備が必要です。

これらに比べ、クレジットカードによる納付は、支払い先に出向く必要もなく、ネットに繋がる環境さえあれば納付期日のギリギリでも支払いが可能となります。

● 一括払い、分割払い、リボ払いの選択ができる。
分割払い、リボ払い利用の可否はクレジットカード会社にもよりますが、支払い方法の選択肢が増えることになります。ただし、分割払い等は各カード会社の定める手数料が発生するのは通常のカード利用による支払いと同様です。

● 納付日から利用代金の引き落とし日までの間に資金準備の猶予期間を持てる。
カード決済をした納付日から代金が金融機関口座から引き落とされるのは約2か月弱先になります。その間に資金準備をすれば良いことになります。金融機関の口座から振替納付する場合は、納付期限が平成29年3月15日の確定申告の場合、振替日は平成29年4月20日になっているので、それ以上に支払いを先に延ばせることになります。

クレジットカードによってはデポジットシステムにより限度額を引き上げることも可能で、利用限度額との兼ね合いによって納付日に資金を用意しなくてはいけない場合もあります。

● カード利用によるポイントが貯まる
税金を納付してポイントやマイレージが貯まるのは、なんともお得感が高いです。これまで挙げてきた、どの項目よりもカードによる支払いを選択するインセンティブになると思われます。しかし、注意が必要な点もあります。クレジットカード納付は金額に応じた決済手数料がかかります。

(図2 最初の1万円までは82円(税込)、以後1万円を超えるごとに82円(税込)が加算されていく仕組みになっています。)

手数料テーブルの中で納付金額が少ないと決済手数料の負担率が高くなってしまいます。
例えば、1,000円を納付するのに82円(税込)の手数料では8.2%の負担率となります。
10,001円の納付に164円(税込)の場合は、1.64%。20,000円の時は0.82% 。

従って、クレジットカードのポイント付与率が1%以下のもので、かつ、納付額と手数料の兼ね合いで、ポイント付与が下回りかえって高く付いてしまう可能性もあります。

それでも、手軽さと、クレジットカードの年間利用額の増加による特典等のメリットでクレジットカードを選択する場合も有り得るかもしれません。

クレジットカード支払いの注意点

● 領収書が発行されない
どうしても領収書が欲しい場合は、現金で金融機関や税務署にて納付する必要があります。クレジットカードの利用明細には「ホウジンゼイ」などの税金名の記載がされるので問題はないです。クレジットカード納付で手続き完了時のページを画面印刷するなどして保管すると同時に、納付手続完了メールを画面印刷して保管して証憑としてもよいとおもいます。
● クレジットカード納付をしてから、納付済の納税証明書の発行が可能となるまで、3週間程度かかる場合がある
● すぐに納税証明書が必要な場合は、現金納付で手続きする必要がある
クレジットカード納付ができる金額が、1,000万円未満かつ、利用するクレジットカードの決済可能金額(決済手数料含む)以下になる
● 利用可能なクレジットカードは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、TS CUBIC CARD になる
● クレジットカード納付はインターネット上のみの手続きで、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口では利用できない
● 所得税や消費税などの複数の税目をまとめて納付することができず、税目ごとに納付手続をする必要がある
● 継続的な手続きでは無いので、納付の都度、サイトにアクセスし手続きする必要がある

まとめ

クレジットカードによる国税の納付は、決済手数料の負担率に注意をしながらポイントを賢く貯められるカードの選択が重要になります。クレジットカードの効果的に利用していきましょう。

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