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税理士も得意分野が違う! 経営者が付き合いたい税理士とは

(写真=wsf-s/Shutterstock.com)

中小企業の経営者が、密接に相談をする相手のひとつに税理士が挙げられる。法人税の申告書作成から納付、給与計算など個人の確定申告や法定調書、償却資産申告など会社経営者が税理士に依頼する範囲は広い。

税理士の出身ルート

経営者の重要な相談相手となる税理士だが、その資格を得るためには、大きく分けて以下に述べる3つのルートがある。会社の担当税理士がどのルート出身者なのかを見ることは、その税理士の強みと弱みを把握するのに役立つはずだ。

1. 税務署出身者
決められた年数を税務当局で勤務していれば、税理士試験を受けなくても、一定の条件を満たせば税理士として独立することが出来る。税務署出身者は、自らが本業として携わっていた税務調査に強いと言われている。ただ、税務署職員は法人税、所得税、資産税などすべての税法に精通していると思うかもしれないが、法人税担当や消費税担当、所得税担当、資産税担当など一つの税法の専門家として携わることが一般的だ。従って、税務当局時代に担当していなかった税法に関しては、あまり詳しくないという実態もある。

2. 試験合格者
税理士試験を受け、5科目合格し税理士になるルートである。受験科目は次の通りで、5科目に合格する必要がある。反対に言うと、選択しなかった科目には、税理士であっても疎い可能性がある。また、受験資格にも一定の条件があるので注意が必要だ。
・必須科目…簿記論及び財務諸表論
・選択必須科目(どちらか1科目か、両方合格してもよい)……法人税法または所得税法
・選択科目……相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、固定資産税、事業税

3. 大学院卒業者
大学院で資格取得に必要な科目を履修し、単位を取ることで税理士になる方法である。大学院で会計の関する修士論文を書き、認定されることによって、1科目が免除される。さらに税制に関する修士論文を書き、認定されることで2科目が免除される。すなわち最大3科目が免除され、2科目を試験合格するだけで税理士になることができる。

得意分野を見極めよう

このように、税務署出身者、試験合格者、大学院出身者であっても、どの分野を中心に勉強し、実務を積んできたのかによって、得意分野が異なる。

会社経営者としては、まずは自社のために法人税に強い税理士を選びたい。小売業、製造業、卸売業など色々な業態があるので、その分野に精通した税理士であれば、なお安心できる。特に税務署出身の税理士は、担当する業態がある程度決まっているので、自社の業態の税務調査を経験してきた方なら、より信頼感が高まるだろう。

また、中小企業の経営者の場合、個人と法人との垣根が曖昧になることもあるだろう。特に、事業承継を考える際、自社株評価や自社所有の不動産評価など相続税に関する事柄も出てくる可能性が高い。法人税と相続税両方に強い税理士なら良いが、両分野に精通している税理士はなかなかいないかもしれない。その場合、法人税に強い税理士と相続税に強い税理士へ、個別に相談するなどの対策をとる必要が出てくる。

経営者が付き合いたい税理士とは

経営者の参謀としての立場も求められる税理士。では、経営者が付き合いたい税理士とはどのような能力を持った税理士なのか。下記に2つのポイントを挙げてみた。

1. 経営のアドバイスや提案ができる
先述した「自社の業に精通している税理士」であれば、過去に多くの同業他社を見てきている可能性が高いため、業務改善などのアドバイスができる可能性が高い。従って税理士を選ぶときには、その業界への精通度も考慮すべきポイントだ。

2. 節税対策を提案ができる
法人、個人問わず節税対策に強い税理士は心強い。税理士法人のなかには、保険会社や不動産会社と提携して、節税を提案するところもある。金融機関の担当者からも節税の提案をされることもあるだろうが、その際も的確なアドバイスしてくれる税理士と付き合いたい。

このように税理士を選ぶにあたって様々な観点から考慮する必要があることはご理解頂けたかと思う。サービスは目に見えないものである。単に顧問料が安いという視点だけでなく、自社にとって本当に必要なアドバイスは何かを明確にした上で、納得できる顧問税理士を選んでいきたい。