生命保険を活用した相続税対策

5e58bd40 5cc2 47e7 aa35 c967ac67f559 camera_alt (写真=Rawpixel.com /Shutterstock)

生命保険は、経営者の皆様に万一のことがあった場合、残されたご家族が経済的に困らないように加入するためのものです。その保険金に想定を超えた税金がかかると必要なお金を残せないことになってしまいます。ですから、生命保険にかかる税金の仕組みについて知っておくことは、大変重要なことですね。また、現金の形で財産を残すより、生命保険の死亡保険金の方が、一般にご家族にかかる相続税の負担を軽減することができます。

そこで今回は、まず生命保険にかかる税金の仕組みをご説明し、その上で、生命保険が相続税対策として有効である理由や生命保険の活用法をご紹介いたします。

1、相続税の課税対象となる死亡保険金はいくら?

被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。
ただし、この死亡保険金の受取人が相続人である場合、全ての相続人が受け取った保険金の合計額が、次の算式によって計算した非課税限度額を超えるとき、その超える部分が相続税の課税対象になります。

500万円×法定相続人の数=非課税限度額

 法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
 法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは一人、実子がいないときは二人までとなります。
 相続人以外の人が取得した死亡保険金には、非課税の適用はありません。

2、生命保険が相続税対策として有効である3つの理由

ここからは、他の財産に比べ、死亡保険金が相続税対策という観点から優れている理由について説明させて頂きます。
第一に、死亡保険金には非課税枠があり、相続税の対象となる財産を引き下げる効果があります。
例えば、『Aさんが死亡。法定相続人は配偶者と子供二人』というケースで確認してみましょう。
Aさんの資産を6300万円とすると、基礎控除の額は、3000万円+600万円×3人=4800万円です。従って、このままですと相続税の課税対象は、6300万円-4800万円=1500万円ですが、死亡保険金の非課税枠(500万円×3人=1500万円)の生命保険に入ると、相続税の課税対象を0にすることができるのです。
第二に、相続争いを未然に防ぐことができる点が優れています。
通常、被相続人の財産を相続する際、遺言書がない場合は遺産分割協議を行う必要があります。しかし、生命保険に関しては死亡保険金の受取人は、明確に決まっているので、遺産の所在を巡った争いが起きる心配がありません。また、もし遺言書に記載されている内容が遺留分を侵害している場合でも、死亡保険金は遺留分の対象に含まれませんので、遺したい人に確実にお金を渡すことができる上、親族間のトラブルも回避することができるのです。
第三に、保険金を納税資金に充てられる点が優れています。
相続財産のうち、不動産や土地が大半を占めているケースでは、相続人が相続税を支払うキャッシュを持っていないという問題が生じます。相続税は、死亡後10か月以内に納税しなければなりませんが、実際に10か月以内に土地や不動産を売却するのは至難の業です。こんな時、生命保険の死亡保険金は、請求手続き後1週間程度で指定の口座へ振り込まれますので、被相続人の死亡後凍結される預貯金と比較しても、大変使い勝手が良いと言えるでしょう。

3、生命保険活用法

加入する保険にもよりますが、生命保険の中には貯蓄性に優れた保険商品もあります。保険料の支払が満期を迎えた場合、保険金の受取まで保険会社へ保険金を据え置きしておけば、銀行よりも高い利率で資産運用することが可能です。
また、資金面に余裕がある場合は、一時払終身保険を検討されてみてはいかがでしょう。一時払終身保険とは、将来的に支払う保険料をまとめて支払うタイプの保険です。
もしあなたの相続財産が基礎控除を超えているなら、その超える部分の金額を、一時払終身保険の保険料として保険会社に預かっておいてもらえば、現金や預貯金として置いておくと相続税がかかる財産を減少させることができるのです。

4、会社で保険契約を締結し、将来の死亡退職金原資に充てる方法

会社が契約者かつ受取人となる保険契約に加入すると、保険金の受取は会社となりますので、保険会社から直接ご遺族に保険金が支払われる訳ではありません。ただし、保険金を受け取った会社がこれを死亡退職金の原資として、ご遺族へ支払うことはできます。結果として、ご遺族(相続人)はその死亡退職金を相続税の納税資金に充てることができます。
また、会社が契約者かつ受取人となる保険契約に加入する場合、保険種類によって、会社保険料の全部又は一部を法人税額の計算上損金に算入にすることができます。損金算入できると、会社は保険料を支払った年の利益を圧縮して、課税を繰り延べることができます。

5、おわりに

以上、生命保険を活用した相続税対策、参考になりましたでしょうか。これを機会に現在加入している生命保険契約の内容をチェックし、見直しなども検討されてみてはいかがでしょうか。

南青山リーダーズ株式会社 編集部


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