結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度

制度の概要

「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」とは、子や孫の結婚・出産・育児を後押しする目的で、両親や祖父母の資産を早期に子や孫に移すことができる制度です。
具体的には、平成31年3月31日までに、直系尊属(父母・祖父母)から20歳以上である子・孫に対して結婚・子育て資金に充てるための金銭等をまとめて信託銀行等に信託をした場合には、子・孫1人あたり1,000万円(このうち結婚資金については300万円)を限度として、贈与税が非課税となります。

非課税を受けるための手続

まず、信託銀行等で非課税を受けるための資金管理専用口座を開設します。
非課税対象となる支出をした場合には、その都度領収証等を金融機関に提出して、資金管理口座から払い戻しを受ける形になります。
結婚や子育てに係る支出でも、非課税とならないものもあるので、注意が必要です。

非課税制度が終了するケース

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度は、次のいずれかの事由が生じた場合に終了し、
残額(使い切れなかった金額+非課税対象外の支出額)についての課税関係が決定します。

※なお、非課税制度の利用期間中に贈与者が死亡した場合には、残額は受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税価格に算入されますので、注意が必要です。

非課税制度の活用方法

この非課税制度を利用した場合、その期間中に贈与者が死亡してしまい、残額が相続税の課税対象とされるケースでも、その部分については相続税の2割加算の対象にはならないというメリットがあります。
つまり、孫が遺言などにより財産を取得した場合には、通常ならば2割加算の適用があるため相続税が高くなりますが、この非課税制度の残額については、2割加算が適用されないので、孫に財産をあげたい場合には、遺言による孫への遺贈よりも税金面で有利となります。

節税対策の注意点

反対にこの非課税制度のデメリットとしては、一括で多額の贈与をしてしまい、贈与者自身の生活費や医療費、老人ホームの入居費用などの老後の貯蓄面に不安が生じるケースが考えられます。
また、受贈者にとっても、非課税の対象となる支出の範囲が限られているため自由度が少なく、残額には贈与税や相続税が課税されてしまいますので、節税対策としての効果は限定的なものであると言えます。
たとえば、贈与税については年間110万円の基礎控除のほか、生活費や教育費に充てるための贈与で通常必要な金額は、その都度贈与すれば贈与税はかかりません。
まとまった金銭を一括贈与したい場合には、相続時精算課税制度もありますので、贈与税・相続税をセットで考え、他の税制度との比較検討を行った上で利用した方がよいでしょう。
将来的な相続税の税負担を考慮して贈与を行うことが大切ですので、非課税制度のご利用をお考えの際には税理士などの専門家に事前に相談することをおすすめします。

南青山リーダーズ株式会社 編集部

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