【インドネシア】医師らへの3回目の接種開始、モデルナ使用[医薬](2021/07/19)
インドネシア政府は16日、医療従事者向けの3回目の新型コロナウイルスワクチン接種を開始した。感染力の強いインド由来の新型コロナウイルス変異株「デルタ株」にも有効といわれる米モデルナ製ワクチンを3回目として使用する。
ブディ保健相は、約150万人の医療従事者への2回のワクチン接種は7~8週間掛かったと説明。「追加接種は1回のみなのでさらに迅速に終えることができると期待している」と述べた。
インドネシア大学医学部のアマン教授は、モデルナ製ワクチンはメッセンジャーRNA(mRNA)という人工の遺伝物質を使ったワクチンで、国内医療従事者の大半が接種した中国製薬大手の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンの不活性化ワクチンとは異なると説明。「全ての医療従事者に対し、機会があればちゅうちょせずにすぐに接種することを勧める」と話した。
新型コロナ関連情報のクラウドソーシング・プラットフォーム「Lapor Covid19」<https://laporcovid19.org/>によると、新型コロナにより死亡した医療従事者は、9日までに1,183人に上った。
インドネシアは15日までに米国から計450万回分のモデルナ製ワクチンを受け取っている。
■ジャワ島では3州の接種に遅れ
ジョコ・ウィドド大統領は16日のオンライン会議で、特に西ジャワ州と中ジャワ州、バンテン州でのワクチン接種を迅速化するよう指示した。ジャワ島とバリ島の全7州のうち、これら3地域の接種が遅れており、西ジャワ州は接種計画人数の12%、中ジャワ州とバンテン州はいずれも14%にとどまっているという。ジョコ大統領は「遅くとも9月には集団免疫の獲得を期待している」と述べた。
一方でバリ州の接種率は81%、首都ジャカルタ特別州は72%と接種率に大きく差が開いている。
保健省によると、17日までに2回の接種を受けた人は1,622万人。約2億人の接種目標に対して進捗(しんちょく)率は8%にとどまっている。