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【カンボジア】原油生産のシンガポール企業、破産手続きへ[資源](2021/06/09)

カンボジアで原油生産を手掛けるシンガポール企業、クリスエナジーは4日、破産手続きに着手することを発表した。同社は昨年末、タイ湾沖アプサラ油田で原油生産を開始した。ただ、生産量が想定を大幅に下回り、事業の継続はほぼ不可能とみられていた。

クリスエナジーのケルビン・タン最高経営責任者(CEO)は声明で、「(登記する)英領ケイマン諸島の裁判所に清算の申し立てを行った」と述べた。清算申し立てを選択した理由としては、◇債務が資産を上回っている◇アプサラ油田の「ミニフェーズ1A」の生産量が予想を大きく下回り、事業再編計画の実施が不可能となった◇再編に向けた選択肢がない◇資金調達のめどがたたない――ことを挙げた。

アプサラ油田はカンボジア初の原油生産事業。権益はクリスエナジーが95%、カンボジア政府が5%を保有する。

クメール・タイムズによると、クリスエナジーは当初、アプサラ油田の原油日産量を7,500バレルと見込んでいたが、3月末時点では2,493バレルにとどまった。アプサラ油田のような沖合鉱区が利益を確保するには、一般的には9,500バレルの日産量が必要とされている。

クリスエナジーは2016年に最初の債務再編計画を発表し、19年にはシンガポール証券取引所(SGX)から上場停止処分を受けた。今回は、シンガポールの金融最大手DBSグループ・ホールディングスからの融資(約2億米ドル=約219億円)獲得に失敗した。

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