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【香港】香港取引所の新CEO、前任の評価に苦戦も[金融](2021/05/26)

米金融大手JPモルガン・チェース元幹部のニコラス・アグジン氏が24日、香港取引所(HKEX)の最高経営責任者(CEO)に就任した。市場関係者からは、前任の李小加(チャールズ・リー)氏が任期中にHKEXの時価総額を高めたことや中国本土市場との相互取引実現といった「輝かしい実績」を残したことから、これら成果を維持していくことは「高いハードル」になるとの指摘が出ている。サウスチャイナ・モーニングポスト(電子版)が伝えた。

上海旭方投資管理のパートナーである王晨氏は、前任者の李氏が任期中にHKEXの時価総額を3倍に高めたことや、12年間のうち7年、世界最大の新規株式公開(IPO)市場の評価を得たことを指摘。ほか中国本土市場との関係強化も功績として挙げた。

その上で王氏は「アグジン氏はこれから非常に大きな課題に直面する」との見方を示した。王氏は、アグジン氏のCEO就任は、HKEXと中国本土市場との関係性について先行き不透明な状況を生み出すと予測。また、HKEXの勢いを維持し、成長の新たな原動力を確定させることが課題になるとした。

ブルームバーグインテリジェンスのアナリスト、シャーニー・ウォン氏は、投資家の株取引意欲の減退が、HKEXが直面する最大の逆風となると言及。第1四半期(1~3月)の株取引の急増が再び起こる可能性は低いとみている。

一方、スタンダード(電子版)は外電を引用し、HKEXの史美倫(ローラ・チャ)会長は、元幹部の贈収賄事件などを受けてアグジン氏に業務体制の見直しを命じたと伝えている。

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