【ベトナム】コロナ警戒、連休行事見送り[社会](2021/04/29)

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30日から4連休となるベトナム各地で集会行事やイベントの中止が相次いでいる。隣接するカンボジアとラオスで新型コロナウイルスの変異株による市中感染が拡大し、国内に波及することへの警戒感が強まっているためだ。国内では今のところ市中感染は抑え込まれているが、不法入国者経由の感染に不安は静まっていない。消費拡大に期待が高まる各地の人出に影響しそうだ。

ベトナムは30日の「南部解放記念日」、5月1日のメーデーを中心に、4月30日~5月3日まで4連休になる。祝日の少ないベトナムではテト休暇と並ぶ貴重な連休で、例年ならば各種イベントで盛り上がる。しかし、今年は各省市が、解放記念日の花火打ち上げ、海洋リゾート地域の海開きなどの恒例イベントの中止を相次ぎ決めた。ハノイ市はホアンキエム湖周辺の歩行者天国を中断する。

■隣国の新型コロナ感染増

イベント中止は、ファム・ミン・チン首相の指示によるものだ。チン氏は26日、新型コロナ感染の再拡大を防ぐため、不要不急の集会の中止、公共空間でのマスク着用の徹底を市民に指示した。

ベトナムは2月のテト(旧正月)前に発生した新型コロナ拡大の第3波を抑え込み、市中感染者を1カ月以上ゼロに抑え込んできた。それにもかかわらず大規模な予防策を導入するのは、国境を接するカンボジアとラオスで感染が急拡大していることがある。

両国とベトナムの国境は全長約3,400キロメートルある。カンボジアからは海路での入国もあり、不法入国者の完全阻止は極めて難しい。

3月下旬には、カンボジアからの不法入国者3人が感染していたことが判明した。3人はほかの7人とともに漁船で南部キエンザン省フーコック島に上陸後、船やバス、飛行機などで国内各地に移動していた。感染者のうち1人はホーチミン市、2人は北部ハイフォン市で身柄が拘束された。

このほかにも、カンボジアから南部タイニン省モクバイから不法入国し、同ビンズオン省に移動していた中国人1人も陽性が確認された。いったん国境を突破すれば、都市部への移動に困難は少なく、市中感染の火種は絶えずくすぶっているのが実情だ。

カンボジアとラオスは、ベトナムと同様に新型コロナ流行を抑え込んできた。しかし、今年に入って状況は一変。カンボジアでは大規模な市中感染が2月下旬に確認されると、それまで累計400人だった感染者数が急拡大し、今月27日までに1万555人になった。今月15日からは首都プノンペンで、23日からは南部シアヌークビルでロックダウン(都市封鎖)が始まっている。ラオスでは、今月20日まで60人程度だった累計感染者数が、27日までに511人に急増。首都ビエンチャンなど複数地域がロックダウン下に置かれている。

■変異株の脅威

カンボジアの感染拡大が、新型コロナの変異株によることもベトナムの警戒感を高めている。保健省の25日の発表によると、カンボジアからベトナム入国後に新型コロナ感染が確認された人のうち、85.7%が英国型、残り14.3%が南アフリカ型だった。変異株は感染力が強く、日本をはじめとする各国が抑え込みに苦慮している。不法入国者を媒介にベトナム国内で広がることがあれば、急拡大する恐れは大きい。

2021年1月1日の新年にホーチミン市内で打ち上げられた花火。4月30日の解放記念日にも同様のイベントが予定されていたが、中止になった=ホーチミン市

2021年1月1日の新年にホーチミン市内で打ち上げられた花火。4月30日の解放記念日にも同様のイベントが予定されていたが、中止になった=ホーチミン市

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