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【インドネシア】3月貿易収支、15億ドル黒字[経済](2021/04/16)

インドネシアの中央統計局が15日に発表した貿易統計によると、3月の貿易収支は15億6,740万米ドル(約1,700億円)の黒字だった。昨年5月から11カ月連続の黒字となった。新型コロナウイルス感染症の拡大で経済全体が落ち込んだ前年同月から、輸出は30%を超える大幅増加となった。前月比でも輸出入ともに20%台の増加だった。専門家は今後も、製造業や石油ガスの堅調な輸出が貿易をけん引するとの見方を示した。

輸出額は前年同月比30.5%増の183億5,460万米ドル。輸出額の95%を占める非石油ガスの輸出額は30.1%増だった。石油ガスも38.7%増加した。三井住友銀行の市場営業統括部エコノミスト、鈴木浩史氏はNNAのメール取材に対し「製造業を中心に堅調だった。石油ガスも、コモディティー価格が堅調に推移して輸出の追い風になっている」と述べた。

輸出額の前月比は20.3%の増加だった。非石油ガスの主要10品目のうち、輸出額は動・植物性油脂と関連品が67.9%増の28億8,600万米ドルで首位。鉱物性燃料が5.0%増の20億6,790万米ドル、鉄鋼が13.9%増の14億680万米ドルで続いた。最も伸長したのは鉱石・スラグ・灰で、前月比2.3倍だった。

輸入額は前年同月比25.7%増の167億8,720万米ドルだった。非石油ガスは23.5%増、石油ガスは41.9%増だった。

輸入額は前月比では26.6%増。主要10品目のうち機械・電気製品が16.2%増の20億2,610万米ドルで最多。鉄鋼が63.3%増の10億2,740万米ドルで続いた。船舶・浮体物は前月比3.5倍と大きく伸長した。

主要11カ国・地域の非石油ガスの貿易収支は、対オーストラリアが5億2,930万米ドルの赤字となり、11カ国・地域中で最大の赤字額だった。このほか韓国、タイ、中国、シンガポール、台湾を含めた計6カ国・地域に対して赤字となった。一方、黒字は対米国が13億3,930万米ドルで最大。対日貿易収支は1億560万米ドルの黒字となった。

■好調な外需、輸出主導で貿易拡大

三井住友銀行の鈴木氏は「輸入の鈍化が止まった格好で、内需の底打ちが見えてきたと言えるかもしれない」と分析しつつも、依然として新型コロナウイルス感染症の拡大が警戒されることから、今後の内需の見通しには慎重な姿勢を示した。一方で、中国やコロナワクチン接種の進む米国など、外需は好調だと指摘。「輸入より輸出が主導して貿易が拡大していく」と述べ、年央にかけても貿易黒字が続くだろうと予測した。

民間シンクタンク、経済改革センター(CORE)のピーター・アブドゥラ研究調査部長はNNAのオンライン取材に対し、「内需、外需ともに拡大傾向にある。特に中国、インド、マレーシアへのパーム原油(CPO)輸出が好調だ」と指摘した。また今後の貿易拡大に向け、コロナワクチン接種の速やかな実施、衛生規律の順守徹底が求められると述べた。

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