【韓国】LG電子がスマホ完全撤退[IT](2021/04/06)

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韓国のLG電子は5日、スマートフォンの生産・販売事業から7月31日付で完全に撤退すると発表した。世界的にスマホ市場の競争が激化する中、シェアを拡大できず営業赤字からも脱せなかった。第6世代(6G)など次世代移動通信技術の研究開発(R&D)は続ける一方、「選択と集中」を通じて、本業の家電や将来の有望事業として育成中の自動車電装部品などに注力する考えだ。

 LG電子が20年に発売したスマホ「LGベルベット」(同社提供)

LG電子が20年に発売したスマホ「LGベルベット」(同社提供)

LG電子は1995年に携帯電話事業に参入。2000年代序盤には通称「チョコレートフォン」などのヒット商品を発売し、韓国国内のスマホ市場で存在感を示していた。しかし、スマホ全盛期になると、国内ではライバルのサムスン電子の後塵を拝し、海外でもアップルなど海外メーカーとの競争で苦戦を強いられていた。

LG電子は事業撤退に至った背景について、「最近のプレミアムスマホ市場ではサムスン電子とアップルという2強体制が固まり、主な競争会社は普及タイプのスマホ市場で価格競争力を繰り広げているが、当社はそのニーズに対応しきれなかった」と自己分析している。

実際に、LG電子でスマホの生産・販売を手掛けるMC事業本部は15年4~6月期から昨年10~12月期まで23四半期連続で営業赤字が続いていた。年間ベースでは16年に12兆ウォン(約1兆1,800億円)超の売上高を計上するも、営業損失は1兆2,181億ウォンに達した。売上高も右肩下がりで、昨年は5兆2,171億ウォンまで減少し、8,412億ウォンの営業損失を計上している。

■独自性で対抗も劣勢覆せず

LG電子は「Gシリーズ」と「Vシリーズ」という2種類のフラッグシップモデルを中心にスマホ事業を展開した。ハイレゾ対応のオーディオユニットやカメラ用シャッターボタン付きのハンドグリップをモジュール化して本体とドッキングできる「LG G5」を16年に発売するなど、ユニークなモデルで他社との差別化を図ってきた。

昨年には、GシリーズとVシリーズを統合した第5世代(5G)移動通信システム対応の新しいフラッグシップモデル「ベルベット」をお披露目するも、販売は伸び悩んだ。

今年1月にオンラインで開催された米IT家電見本市「CES」では、プロモーションビデオを通じて画面を巻き取れるスマホ「LGローラブル」を初めて公開して注目を集めたが、スマホ事業からの完全撤退により「幻のスマホ」になってしまった。

■MC事業本部の雇用は維持

MC事業本部は解散するが、同本部に所属する社員は全員、他部門への配置換えや系列会社への転籍を通じて雇用を維持する。まずは社員の意向を聞き、できる限り希望に添えるよう配慮する方針という。

また、スマホの生産と販売は終了するが、6Gやカメラ、ソフトウエアなどモバイル技術のR&Dは、次世代テレビや家電、電装部品などの事業とも関係性が深いため今後も継続する。とりわけ6G技術については、25年の標準化と29年の実用化に向けて、R&Dに力を注いでいく構えだ。

■国内はサムスンの独壇場に

LG電子が今年1月のCESで公開した巻き取りスマホ「LGローラブル」(同社提供)

LG電子が今年1月のCESで公開した巻き取りスマホ「LGローラブル」(同社提供)

LG電子がスマホ事業から撤退を決めたことで、韓国のスマホ市場はサムスン電子の独走状態がより鮮明になりそうだ。

市場調査会社カウンターポイントによると、韓国のスマホ市場のシェアは、サムスン電子が約7割でトップを走り、アップルが約2割で2位に付ける。LG電子は約1割で3位だった。

韓国の消費者は今後、スマホを購入する際は「サムスン電子かアップル」の2択を迫られることになる。ただ、iPhone(アイフォーン)はモバイル基本ソフト(OS)が異なるため、LG電子スマホのユーザーはサムスン電子製に乗り換える可能性が高い。

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