【香港】H&M製品の不買、香港でも呼び掛け[繊維](2021/03/29)
スウェーデン衣料品大手H&Mが中国新疆ウイグル自治区での強制労働を懸念して新疆綿を使わないと表明し、中国本土で不買運動が広がった問題で、香港の親中派政党関係者が香港でも同社製品のボイコットを呼び掛けた。28日付星島日報などが伝えた。
親中派政党、新民党党員の李梓敬(ドミニク・リー)氏は27日、香港にあるH&Mのオフィスを訪問。同社が中国政府に恥をかかせようとしているのは明らかで「その行為を受け入れることはできない」と強調し、全市民に同社製品を購入しないよう呼び掛けた。
新民党と協力関係にある団体、公民力量の潘国山主席も「H&Mは世界の公正な貿易に干渉しただけでなく、中国の国際的なイメージを著しく傷つけた」と非難した。
影響は英高級ブランド、バーバリーにも広がった。新民党主席の葉劉淑儀(レジーナ・イップ)立法会(議会)議員は26日、会員制交流サイト(SNS)で同ブランドの商品の購入と使用をやめると明らかにした。
明報によると、バーバリーは、繊維業界で影響力のある国際的な非政府組織(NGO)「ベター・コットン・イニシアチブ」(BCI)に加盟している。H&Mは過去の声明で、BCIが新疆産綿花の認定を一時停止したことに触れていた。
親中・親香港政府派政党で経済界を支持基盤に持つ自由党の鍾国斌(フェリックス・チョン)党首は、「国際的なブランドは新疆綿の使用を停止する場合、巨大な本土市場を捨てるかどうかを考慮しなければならない」と指摘。一方で、騒動が一刻も早く収まるよう望んでいるとも説明した。鍾氏は紡織・アパレル業界選出の立法会議員。
■芸能界でも動き
香港の芸能界でも関連の動きが出ている。ネットメディアの香港01などによると、本土で新疆綿問題に絡みH&Mのほかスポーツ用品世界大手の米ナイキや独アディダスなどもボイコットの対象になっていることに呼応し、歌手・俳優の陳奕迅(イーソン・チャン)氏は25日、アディダスとの協力関係を一切断つと発表した。陳氏は2011年からアディダスのイメージキャラクターを務めていた。