【シンガポール】リアルテック、言語解析AI企業に出資[IT](2021/03/01)
技術特化型のベンチャーキャピタルを運営するリアルテックホールディングス(東京都墨田区)は、言語解析の人工知能(AI)を手掛けるシンガポールのベンチャー企業、センティエントioに出資したと発表した。出資額は非公表。同社の日本進出などを支援する。
センティエントは2017年創業。AIを活用した言語解析などを手掛け、従来のAIでは解析が難しかった「なまりがある英語」を判別する技術を持つ。特にシンガポールや東南アジアのなまりがある英語については、音声解析、文字起こし、翻訳について優れたアルゴリズム(計算手法)を有するという。
20年5月には、リアルテックの親会社のひとつであるスタートアップ支援のリバネス(東京都新宿区)からも出資を受けており、それ以降、日本の事業会社へのサービス展開を順調に進めている。リアルテックは今回の出資を通じ、センティエントがさらに事業展開を加速できるよう後押ししたい考えだ。
リアルテックの熊本大樹グロースマネジャーによると、センティエントは21~22年に日本法人を設立する予定。時期は未定だが、東京証券取引所への上場も視野に入れている。
熊本氏は「(当社のファンドに参画している)事業会社を中心に、センティエントの技術には広範囲なニーズがあり、各社とプロジェクトを進めている。例えば、案内モニターやメディア各社の翻訳対応などに利用することなどを想定している」と説明した。
リアルテックは、バイオベンチャーのユーグレナ(東京都港区)とリバネスが設立した合弁会社。海外の優良ベンチャー向けにリアルテックグローバルファンドを運用しており、センティエントへの出資は同ファンドの3件目の案件となる。
これまでにシンガポールで、細胞培養肉ベンチャーのシオック・ミーツ(Shiok Meats)、外科医療用ロボット開発のNDRメディカルテクノロジーに出資した。