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【シンガポール】JR東、コーヒー提供ロボット企業に出資[運輸](2021/01/13)

JR東日本のシンガポール現地法人、JR東日本東南アジア事業開発は12日、コーヒーの提供を自動化するロボットを開発・提供する現地の新興企業クラウン・テクノロジーズに出資したと明らかにした。出資額は非公表。日本の「駅ナカ」事業に生かせる新しい技術やサービスを探していたJR東日本と、日本進出に意欲的なクラウンの思惑が一致し、出資に至った。まず日本の管轄する駅でテストマーケティングを実施する。

クラウン・テクノロジーズが展開する、自動コーヒー提供システム「ELLA」のロボットアーム部分(同社提供)

クラウン・テクノロジーズが展開する、自動コーヒー提供システム「ELLA」のロボットアーム部分(同社提供)

クラウン・テクノロジーズは、カフェ運営会社からスタートしたテック企業。人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、ロボットアーム技術を組み合わせ、コーヒーの注文受け付けから提供までの一連の流れを無人化・自動化するシステム「ELLA」を開発している。最大で1時間に200杯のコーヒーを提供可能という。

クラウンが公表した声明によると、JR東日本からの資金調達で、同社の企業評価額は3,300万Sドル(約25億8,700万円)に上昇した。

JR東日本東南アジア事業開発は、2019年から駅ナカに活用できる技術としてクラウンに注目していた。新型コロナウイルスの流行を機にJR東日本の駅で乗客数が減少したことや、消費者が非接触型のサービスを好むようになったことも、出資の背景にある。

JR東日本東南アジア事業開発の大見山俊雄マネジングディレクターはNNAの取材に対し、「当社とクラウンは今回、JR東日本の駅でELLAのテストマーケティングを行うことで合意した」と説明。実施する駅は現段階では未定だという。

大見山氏は「ELLAの強みは、AIやロボットアームなどの各技術やサービスの組み合わせ方が洗練されている点」と指摘。カフェ運営企業が始めた事業であるため、コーヒーの豆選びから提供までの一連のサービスが細かく設計されているという。

クラウンは、20年10月から中央部ラベンダーのカフェ「クラウン・コーヒー」でELLAを運用している。国内で近く30台を追加投入する方針で、シリーズA(事業開発段階)の資金調達も実施する予定だ。

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