【韓国】重大災害法が成立、事業主や責任者に重罰も[経済](2021/01/11)

韓国国会で8日、事業主や企業の経営者、当該企業を処罰できる「重大災害企業処罰法(重大災害法)」が与野党による賛成多数で成立した。小規模事業者は処罰の対象から外れたものの、経営者の懲役刑や懲罰的な罰金が盛り込まれたため、産業界では懸念が強まっている。

重大災害法では、産業現場で労働者の死傷事故が発生した際、事業主や現場の責任者、企業の経営者に対して最大で「1年以上の懲役または10億ウォン(約9,500万円)以下の罰金」を科すことができるようになる。また、両罰規定により、当該企業には最大50億ウォンの罰金刑が命じられる可能性もある。

与野党の協議により、常時労働者が5人未満の零細企業や個人経営者、事業場の面積が1,000平方メートル未満の小規模事業者は同法の適用対象から除外された。

同法は、工事現場や工場などで近年、安全対策の不備による死傷事故が多発していることを受けて、与野党が成立を目指していた。

ただ、問題点も少なくない。事業主や経営者は「安全対策を取らなかった場合」に同法の適用対象となるが、この「安全対策」がどのようなものかは具体的に明示されていない。また、免責事項もないため、比較的資金力に劣る中小企業にとっては大きな負担になりかねない。

■現場多い建設業は反発

とりわけ、建設業界からの反発が根強い。大韓建設協会や大韓住宅建設協会など16の建設関係団体からなる大韓建設団体総連合会(建団連)は同日、同法成立に対して「強い遺憾と失望」を表明した。

大部分の建設現場は常に5人以上が働いているため同法の対象になるが、「企業の経営責任者が全ての現場の安全を指揮するのは現実的ではない」という理由のためだ。

建団連は「(同法は)事故防止に向けた企業努力を考慮せず、企業と経営者を処罰することだけに重きを置いた法律。昨年1月に成立した改正産業安全保健法という世界最高水準の刑罰を科せる法律があるにもかかわらず、企業への処罰をさらに強化した」とし、重大災害法の不当性を訴えた。

中小企業中央会をはじめとする経済10団体は7日、◇事業主の懲役下限規定をなくし、上限規定に変更する◇事業主の処罰は、死亡事故が繰り返し起きた場合に限る◇事業主が守らなければならない安全対策などの義務を具体的に示す――の3点を要求していたが、反映されなかった。

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