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【韓国】サムスンが印で節税、スズキ判例の恩恵[経済](2021/01/26)

韓国サムスン電子のインド法人が、同国で海外子会社との取引に課税される移転価格税の支払いを回避したことが分かった。インドでは、移転価格課税を不服とする訴訟事例が多いが、マルチ・スズキ・インディアが負担する広告販促マーケティング費用を「国際取引に分類できない」とした2015年の判例が効いた。韓国の国税新聞が伝えた。

インド国税庁は、サムスン電子のインド法人が支出した広告販促マーケティング費用について「業界の水準を大きく上回っている」とし、サムスン本社との国際取引と判断。同インド法人のIT部門が支出した広告販促マーケティング費用を本社から提供を受けた役務の対価とみなし、業界の平均支出を超過した額を輸入代金に加算した上で法人税を課した。

しかし、同社インド法人が不服を申し立てたところ、所得税審判廷(ITAT)は「インド国税庁が税務当局にとって有利に解釈した側面がある」として、インド法人が支払った広告販促マーケティング費用はサムスン本社との国際取引に相当しないとの判断を下した。

■LG電子にも課税

サムスン電子側の主張を認めたITATは、インド国税庁が13年にLG電子のインド法人に対して移転価格調整を求めた時は、同庁の主張を認めていた。

ところがそのITATが今回、一転してインド国税庁の主張を退けた背景には、ITATよりも上級のデリー高裁が15年に、マルチ・スズキ・インディアが負担する広告販促マーケティング費用を「国際取引に分類できない」と判示したことがある。

インドでは、移転価格課税を不服とする訴訟事例が多い。さらに、他国と比べて裁判官の数が少ないため、訴訟が長引く傾向にある。訴訟の開始から最高裁判所での判決まで20年以上を要するケースもあるという。

法務法人広場に所属する国際租税専門家のキム・ミンフ弁護士はNNAの取材に対し、「海外ではライバル関係となる日韓各社も、インドでビジネスを展開する上で最大のリスクである税務問題ではお互いをケーススタディーとして学び合うのも一つの手」と助言している。

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