スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト

【韓国】首都圏で5人以上の集会禁止[社会](2020/12/22)

ソウル市と京畿道、仁川市、首都圏の3市・道は21日午後、23日午前0時から来年1月3日まで、屋内外を問わず「5人以上の私的な集まり」を全面的に禁止すると発表した。首都圏で新型コロナウイルス感染症の感染者が急増しているため、防疫措置の一部強化を決めた。違反者には罰金を科す。首都圏全体で同時に行うことで、感染拡大の温床となっているクラスター(感染者の集団)の撲滅を目指す。

散発的に起きている集団感染を断ち切らなければ、現在の危機を乗り越えるのは難しい――。ソウル市の徐正協(ソ・ジョンヒョプ)市長代行は21日午後に開いた記者会見で、首都圏での防疫措置を一部強化した背景についてこのように述べた。首都圏の3市・道が足並みをそろえることで、年末年始のさらなる感染拡大を抑え込む狙いがある。

ソウル市によると、ここ4週間の集団感染の発生場所をみると、飲食店など多くの人が同時に利用する商業施設が41.4%で最も多く、職場が16.9%、宗教施設が15.5%で続いた。また、感染経路が分からないケースや無症状の感染者も増えている。

今回の対策では、屋内外を問わず、5人以上の全ての私的な集まりが原則的に禁止される。これは最高の警戒レベル「3段階」(10人以上の集まり禁止)よりも厳しい措置だ。

政治的な集会はもちろんのこと、忘年会や新年会、企業の会食、同窓会、さらにはトルジャンチ(子どもの1歳のお祝い)や還暦のお祝いといった親戚の集まりも規制対象となる。ただし、結婚式と葬式については、例外的に50人以下に限り認める。

ソウル市の関係者は「違反者には罰金の支払いを命じ、場所を提供した事業者に対しても、過料の支払いや施設閉鎖などの行政措置を取る」と説明した。

■不足する病床・人材の確保急務

韓国では全国的に新型コロナの感染者が増加しているが、首都圏3市・道での感染状況は特に深刻だ。ここ1週間(14~20日)の感染者数を見ると、ソウル市が300~450人前後、京畿道が250~300人前後、仁川市が50~100人前後で推移している。1日の新規感染者のうち、7割近くが首都圏で発生している。

重症患者のための病床不足も懸念材料の一つだ。ソウル市では91ある重症患者向け病床のうち、21日午前の時点で即入院できる病床は4床のみとなっている。仁川市も27ある重症患者向け病床は全て稼働中で、「新たな患者を受け入れる余力がない」(朴南春=パク・ナムチュン=仁川市長)状況だ。

そのためソウル市は、今月末までに105床を追加で確保する計画を明らかにした。仁川市は、不足する人材を補うため引退した医師や看護師などに協力を求めた。

京畿道は、自宅待機中の軽症患者の症状悪化に備えて「特別生活治療センター」の新設を急いでいる。同道の李在明(イ・ジェミョン)知事は21日の記者会見で、「今週中に最初の特別生活治療センターを開設する」と述べた。

関連記事

公式Facebookページ

公式Xアカウント