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【香港】香港政府、入境者の強制隔離を最大28日に延長[社会](2020/12/24)

香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は23日臨時記者会見し、「疾病予防・制御条例」のうち、域外から香港への入境者を対象とした強制検疫に関する規定を見直し、現行の14日間から最大28日間に延長すると発表した。実際の隔離期間は、衛生当局が感染状況を見ながら、国・地域ごと判断する。香港経済日報電子版などが伝えた。

英国などで新型コロナウイルスの変異種の感染が拡大していることを受けた水際対策強化の一環。

政府は22日午前0時から、過去14日間に英国に2時間以上滞在した人(香港住民含む)の入境を禁止した。ただ、23日に確認された新規感染者の中には、英国から戻った香港人学生もおり、このうち2人から検出したウイルスの遺伝子配列が英国で広がる変異種と一致したことが確認され、政府内の危機感は強まっている。

会見に同席した政府食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長は、新規定は24日から、英国から香港に入境した人に適用すると表明。指定ホテルでの隔離期間を即時21日間に延長するとした。既に隔離中の人は、14日目から自宅での強制隔離に切り替え、19日目もしくは20日目にウイルス検査を実施すると補足した。

林鄭氏によると、23日午前に行政会議(行政長官の諮問機関)の特別会議を開き、強制検疫に関する現行規定の修正のほか、コロナワクチンの緊急使用許可に関する新規定を決定した。

■ワクチンは状況に応じて選択可能

林鄭氏はまた、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発中のワクチンについて、750万回分の供給に関する契約に調印したと発表した。先に明らかにした2種類を合わせ「2,250万回分調達することになる」とし、「1人2回接種でき、全市民が使用するのには十分だ」と述べた。一方で、元々計画していた4社目のワクチン生産会社(750万回分)を探す意向も示した。

政府は今月中旬、複数の国でコロナワクチンを共同購入する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」とは別に、独自に調達を決めた3種類のコロナワクチンについて、中国製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の「不活化ワクチン」(750万回分)、同じく中国製薬大手の上海復星医薬(集団)からは米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが共同開発した「メッセンジャー(m)RNAワクチン」(750万回分)の調達を契約したと発表。第1陣は来月にもシノバック製が100万本届く予定だ。

政府はこれまで、接種するワクチンの種類は選べないとしてきた。しかし、林鄭氏はこの日の会見で「接種時の環境、状況、ワクチンの到着時期を見て判断する必要がある」と説明。「ある一定期間にある環境下で、選択できる余地があれば、自由にワクチンの種類を選択できる」と発言を微妙に修正した。ただ、ワクチンについては「政府の科学委員会の専門家が評価したものだ」と述べ、心配する必要はないと強調した。

政府はこのほか、市民がワクチンを接種後に副作用などが出た場合、対応するための補償基金を創設する方針を表明した。

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