【シンガポール】息かけるだけでコロナ検査、国立大が開発[医薬](2020/10/21)
シンガポール国立大学(NUS)は20日、息を吹きかけるだけで新型コロナウイルスの感染の有無をすぐに検査できる装置を開発したと発表した。同様の検査装置はアジア初という。
新装置は、NUSのスピンオフ(分離・独立)企業ブレソニクス(Breathonix)が開発した。装置の先端のノズル部分に息を吹きかけると、機械学習アルゴリズム(計算手法)を使った特殊なソフトウエアが呼気に含まれる揮発性有機化合物を分析。1分程度でコロナ感染の有無を判定できる。
シンガポール国立感染症センター(NCID)と共同で新型コロナ患者180人を対象に実施した臨床試験では、検査精度が9割超に達した。
現在は検査精度をさらに高めるため臨床試験を進めている。商用化のめどが付けば、空港や外国人労働者のドミトリー(居住施設)などに設置してコロナ検査に使用する計画だ。
新型コロナの感染判別法は現在、鼻咽頭から検体を採取して調べるPCR検査が主流だが、結果が出るまでに数時間かかる。検体採取時に不快感を覚える人もいる。新装置は誰でも簡単かつ短時間で検査できるため、感染防止対策に貢献できると期待されている。