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【インドネシア】首都の行動制限、再び緩和[社会](2020/10/12)

インドネシアの首都ジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事は11日、新型コロナウイルス対策の「大規模な社会的制限(PSBB)」を12日から再び緩和すると発表した。感染者数は依然、増え続けているものの、増加の勢いが鈍っているため。期間は25日までの2週間で、さらに延長する可能性もある。

PSBBの移行期間に戻れば、飲食店での店内飲食が再び認められるようになる(アンタラ通信)

PSBBの移行期間に戻れば、飲食店での店内飲食が再び認められるようになる(アンタラ通信)

ジャカルタはコロナ禍の拡大に対応し、4月10日に同制限を発動、その後6月5日からは段階的に緩和する移行期間に入ったが、感染者数の増加が止まらないため、9月14日に行動制限を再強化、同27日に期限を延長し、今月11日までとしていた。

州知事通達『2020年第1020号』を9日付で公布、12日に施行する。制限を緩和する2度目の「移行期間」は、感染者数が大幅に増えなければ、さらに2週間、11月8日まで延長することを盛り込んだ。

アニス知事は行動制限を再び緩和に踏み切る理由について、「9月13日以降は、1日の感染者数が安定している」と指摘。直近1週間は、減少の兆しがみえると付け加えた。インドネシア大学公衆衛生学部のデータによると、感染者1人から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数(Rt)」は、9月初旬の1.14から現在の1.07まで低下している。

感染者数は、8月29日~9月11日までの14日間に64%増加したものの、行動制限強化後の同月25日までの2週間の増加率は9%に、さらに今月9日までの2週間の増加率は4%と、日を追うごとに下がっている。

感染者専用の指定病院は、以前の67カ所から98カ所に増やした。このため隔離病室と集中治療室(ICU)の病床利用率は、いずれも低下傾向にある。今月4日時点の隔離病室とICUの利用率はいずれも72%だった。

■企業にオフィス来訪者のデータ把握を

アニス知事は、衛生規律を定めた改正州知事令『20年第101号』を9日付で公布した。企業や工場などが稼働する場合は、同じ時間に就労する人数の上限を設定するよう規定した。旧知事令『20年第79号』では、「収容能力の50%」に制限すると規定していた。

さらに事業主に対し、事業所の訪問者に関するデータを把握することを規定。事業所で感染者が確認された場合に濃厚接触者の追跡調査に備えた措置という。アンタラ通信は、把握すべき訪問者情報について、訪問者の氏名や身分証明書番号、訪問時間、携帯電話番号と伝えている。

■映画館は営業可能か

州政府は行動制限の緩和後も、学校の対面授業についてはこれまで同様に認めていない。一方で、地元メディアによると、飲食店は前回の緩和期間と同様に、客数を50%に抑えれば店内飲食が可能になるほか、映画館の営業も条件付きで再開が認められるもようだ。

主要道路での走行車両のプレート末尾ナンバーによる交通規制は、引き続き適用しない。ジャカルタ特別州警察のサンボド交通部長は11日、「ナンバー規制の再開時期はまだ決まっていない」と述べた。

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