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【インドネシア】コロナ治療薬、国営・民間とも製販強化[医薬](2020/10/06)

インドネシアの製薬会社が新型コロナウイルス治療薬の製造・販売を強化する。国営製薬持ち株会社のビオ・ファルマは5日、傘下のインドファルマがオランダの後発薬大手マイランの系列会社が製造する抗ウイルス薬「レムデシビル」について、インドネシア保健当局から9月30日に流通認可を取得、来週にも販売を始めると発表した。

インドファルマが来週にも販売を開始するレムデシビル(同)

インドファルマが来週にも販売を開始するレムデシビル(同)

インドファルマが保健省食品医薬品監督庁(BPOM)から認可を取得した。商品名「Desrem」で販売する。コロナ感染症の中~重症患者に投薬する。インドファルマのアリフ社長によると、今月分として既に40万本の在庫を確保した。

一方、民間製薬大手カルベ・ファルマは、インドのジェネリック大手ヘテロから輸入するレムデシビル(商品名「COVIFOR」)の価格を150万ルピア(約1万700円)に引き下げた。従来は300万ルピアだった。ヘテロのインドネシア子会社アマロックス・グローバル・ファルマと共同で販売する。

レムデシビルは、米食品医薬品局(FDA)が5月、新型コロナの治療薬として緊急使用許可(EUA)を発行した治療薬。カルベ・ファルマによると、アマロックスは、同庁からレムデシビルの販売について承認を受けた国内第1号の企業という。

■治療薬候補も国産

国営キミア・ファルマは、新型コロナ治療薬の候補と目される抗インフルエンザウイルス薬「ファビピラビル」の製造に成功したと発表した。国内製薬会社としては初めて。既に同庁から流通認可を取得し、近く販売を開始する。

キミア・ファルマが製造した「ファビピラビル」(ビオ・ファルマ提供)

キミア・ファルマが製造した「ファビピラビル」(ビオ・ファルマ提供)

インドファルマもインフルエンザ治療薬「オセルタミビル」を製造している。生産能力は月490万錠という。

インドネシアの新型コロナの感染者数は30万人を超え、いまだ収束の気配を見せていない。国営ビオ・ファルマは、中国のバイオ医薬品企業シノバック・バイオテック(科興控股生物技術)が開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンの第3相臨床試験を西ジャワ州バンドンで実施中。

9月末までに治験者1,319人が第1回、656人が第2回の接種をそれぞれ終了し、244人が2回目の接種後の血液検査を受けている。現時点で深刻な副作用などの問題は確認していないという。

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