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【香港】集合と飲食4人まで可能に[経済](2020/09/09)

香港政府は8日、新型コロナウイルス感染抑え込みを目的とした規制をさらに緩和すると発表した。公共の場所で複数の人が集まるのを禁止する「集合制限令」の規制対象は従来の3人以上から5人以上に改める。飲食店の1テーブル当たりの着席人数も最大4人まで認める。期間は11日から1週間。7月上旬に本格化した流行「第3波」が落ち着いてきたと判断し、経済・社会活動の正常化を再び前に進める。

公共の場所で複数の人の集まりを禁じていることを知らせる横断幕。11日からは規制対象を5人以上に改める=香港島・中環(NNA撮影)

公共の場所で複数の人の集まりを禁じていることを知らせる横断幕。11日からは規制対象を5人以上に改める=香港島・中環(NNA撮影)

香港域内の1日当たりの新規感染者数は、第3波のピークだった7月下旬には100人を超える日が続いたが、8月下旬以降は1桁となるケースが増えている。政府は7月中旬から禁止していた夜間の店内飲食を8月下旬から認め、感染防止対策の緩和を段階的に進めている。

集合制限令については、7月15日に禁止対象を従来の51人以上から5人以上に、同月29日に5人以上から3人以上とし、規制を強化していた。ただ、公共交通機関など公共の場所でのマスク着用義務は継続する。

飲食店の営業規制に関しては、1テーブルの着席人数を最大2人から4人に広げるが、店内で飲食できる時間は午後10時までに据え置いた。

香港島・銅鑼湾(コーズウェーベイ)でレストランを運営する香港日本人倶楽部の柳生政一事務局長は、着席制限の緩和について「飲食業界にとっては朗報だ。売り上げ改善への期待が高まる」と語った。

また、ゲームセンターや全てのスポーツ施設の営業再開も認めた。いずれの措置も11日から1週間。現行の規制は期限が10日に迫っていた。

政府の陳肇始(ソフィア・チャン)食品・衛生局長は8日の記者会見で、「経済・社会活動の再開を望んでいる」と強調。また「感染状況が急激に悪化しない限り、プールやカラオケ店の営業再開など一層の緩和を進めていく」と述べた。

■トラベル・バブルは11カ国と交渉

政府は、イベントの開催延期が相次いでいる展示会関連や臨時休園が続いている域内のテーマパークに対するソーシャルディスタンス(社会的距離)の規制を取り消す方向性も示した。

会見に同席した政府の邱騰華(エドワード・ヤウ)商務・経済発展局長は、状況が許せば、18日にも取り消すことを希望していると明らかにしたが、撤廃する規制の内容については具体的に言及しなかった。

域内の展示会を巡っては、書籍関連の大型見本市「香港書展(香港ブックフェア)」の開催が当初予定だった7月から12月に延期された。テーマパークは、流行第3波を受け、香港海洋公園(オーシャンパーク)と香港ディズニーランドが7月15日から臨時休園を続けている。両施設は新型コロナの影響で1月下旬~6月中旬に臨時休園し、再スタートを切ったばかりだった。

邱氏は、新型コロナ感染の検査結果を国・地域間で相互承認し、往来を認める「トラベル・バブル」に関して、これまでに日本やタイを含む11カ国と交渉に向けた作業を進めていると説明した。

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