【ベトナム】九州の戦略拠点11月開業、共用オフィスも[経済](2020/08/25)
牛肉・乳製品の一貫供給事業を手掛けるカミチクホールディングス(鹿児島市)は24日、ベトナム・ハノイに設置した「九州プロモーションセンター(KPC)」を11月に開業すると発表した。九州の魅力発信や企業進出を推進する、同社として海外初の試み。和牛の焼き肉店や、他社との協力による共用オフィスも手掛ける。
KPC事業はカミチクグループのカミチク・ベトナムが担う。九州経済連合会と協力しており、「九経連の会員企業に対するセンターの案内に協力してもらい、センターには九経連の情報提供用の棚を置く」(カミチクホールディングスの担当者)。ベトナムと九州の関係強化に向けた事業を展開していく。
施設内では、共用オフィス運営のゼロテンパーク(福岡市)がコワーキングスペース「ザ・カンパニー」を運営する。開業は11月2日を予定。同社がベトナムに拠点を置くのは初めて。
ザ・カンパニーは、「ワークシェア」「マルチロケーション」をキーワードに、「企業の枠にとらわれないチームづくり」を推進するプロジェクト共創型のワークスペースだ。会員はオリジナルの交流サイト(SNS)でつながり、他社の仲間とプロジェクトを進めていくことが容易になる。新たに進出するベトナムを含めて拠点数は6カ国・11カ所、会員数は400社・1,250人となる。
■焼き肉店「うしのくら」は9月オープン
カミチクグループは、9月初旬には、KPCの一部として焼き肉店「和牛ダイニング うしのくら」を開店する予定だ。グループの海外店舗は、2018年に香港にオープンした「鹿児島焼肉ビーファーズ」に続く2店舗目となる。
カミチクは、1~3次産業を全て手掛ける「6次化」を掲げている。肉牛・乳牛のエサづくりから小売り・外食まで手掛け、海外進出も進めていこうとしている。
KPCはハノイ市バディン区に立地し、日本大使館も近い。カミチクホールディングスの担当者は「ベトナムはアジアでも成長率が高く、日本企業の新規進出が続いている」と指摘。コロナ禍で国際移動がどうなるか厳しくなる中、早期回復を期待している。