【中国】HIS、上海の見本市でリモート視察サービス[観光](2020/07/30)
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は、海外の展示会をリモートで視察するサービスを始める。第1弾として、上海市で31日から開催される中国最大級のゲーム見本市「China Joy 2020」で初日の様子をオンライン配信する。
ウェブ会議ツールの「Zoom」を使い、HISのスタッフが現地から中継する。展示内容のほか、会場入口での新型コロナウイルスの対策などもリポートする。
新型コロナウイルスの影響で世界の主要な展示会が延期またはオンライン開催に切り替わるなか、中国ではいち早くオフラインでの展示会が再開されている。HISの広報担当者によると、日本から中国への渡航制限を背景に各企業が展示会への出展を取りやめるなか、実際の開催状況を伝えることで秋以降に開かれる見本市やイベントに出展するかどうかの判断材料にもなるとしている。
既に定員300人に対し、127人が参加の意向を示しているという。
■旅行業以外でも事業支援
HISが先月発表した2019年11月~20年4月期連結決算は、売上高が前年同期比8.9%減の3,443億5,300万円、純損益は34億5,900万円の赤字(前年同期は49億6,400万円の黒字)だった。売上高の8割超を占める主力の旅行事業は、コロナ禍で世界各地で渡航が制限されたことなどで売上高が11.1%減の2,995億8,900万円に落ち込んだ。
新型コロナの打撃が広がるなか、同社は旅行事業以外でも事業支援を継続していく。6月には海外出張をHISの海外拠点スタッフが代行するサービス「レンタルHIS」を開始。同社広報担当によると、これまでに40件を超える新規案件の問い合わせがあった。
展示会のリモート視察サービスは今後、中国以外の国・地域でも開催していく予定という。