【マレーシア】マハティール前首相、アンワル氏と決別[政治](2020/06/25)
マレーシアのマハティール前首相は23日、星洲日報とのインタビューに応じ、今後は政権奪還に向け、人民正義党(PKR)および同党のアンワル・イブラヒム党首とは共闘しない意向を表明した。PKRが次期首相候補を選出するに当たり、マハティール氏の首相返り咲きと、その後のアンワル氏による将来的な首相後継を前提とした共闘を拒否したことが理由。アンワル氏との事実上の決別宣言となる。24日付スターなどが伝えた。
野党はこれまで、PKR、民主行動党(DAP)、国民信託党(アマナ)、サバ伝統党(ワリサン)、マハティール氏率いるマレーシア統一プリブミ党(PPBM)系グループによる緩い政党連合・希望連盟(PH)プラスを組んでいたが、マハティール氏はPHプラスからの脱退を宣言した。マハティール氏を支持するDAP、アマナとは引き続き連携していく意向だ。
マハティール氏は「アンワル氏が共闘を望まないので、自分も手を組むことはないだろう。首相になる別の方法を探す必要があるが、何かあるはずだ」と述べた。
マハティール氏はまた、自身が2018年の連邦議会下院選でPKRなどと連携したことで、PKRはマレー系住民の支持を獲得し、政権交代につながったと強調。「PKRが勝つにはマレー系住民の支持が不可欠」とし、「マレー系は(現在のPHプラスのような)多民族政党を支持することはない」と断言した。
一方、アンワル党首は先ごろ、シンガポールのチャンネル・ニュース・アジアのインタビューで、マハティール氏を将来的に上級相や内閣顧問として迎えることを提案。マハティール氏はこれに対し、歴代首相の名前を挙げながら、「自分の経験から言って、誰一人として顧問の意見を聞いたためしはない」として、提案を拒否した。