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【香港】ペッグ制の父、制度攻撃すれば「米が損害」[金融](2020/06/08)

「米ドルペッグ制の父」として知られる米資産運用大手インベスコのジョン・グリーンウッド首席エコノミストは、米国が香港のペッグ制を維持できなくなるような攻撃を仕掛ければ、「米企業が損害を受ける」と警告した。信報などが伝えた。

グリーンウッド氏は、米国が香港への国家安全法制導入に対する対抗措置として、米ドルと香港ドルの自由兌換(だかん)を制限し、米ドルペッグ制が維持できなくなるのではないかとする見方が出ていることについて、「米企業は香港と中国本土で多額の資金を投じている。米ドルペッグ制を揺るがす事態になれば米企業にも深刻な被害が及ぶ」と指摘した。

また、数兆米ドルの資産を保有する米国の主な金融機関が香港でそろって金融サービスを提供していることを挙げ、「香港は米国の経済・貿易にとって極めて重要で、米国が両地の貿易に打撃となる措置を講じるとは思えない」との認識を示した。香港の外貨準備(5月末時点で4,423億米ドル=約48兆4,600億円)は香港ドルの発行量の約2倍に上ることから、全ての香港ドルが売られたとしてもペッグ制は維持できるとも断言した。

同氏は、香港ドルの発行量を保有外貨準備の範囲内に抑えるカレンシーボード制によって、香港ドル相場を米ドルに固定する米ドルペッグ制の考案者。米ドルペッグ制は、英国統治時代の1983年10月に導入され、同氏の提案を基に1米ドル=7.8HKドルと定められた。香港金融管理局(HKMA)は2005年、このレートを1米ドル=7.75~7.85HKの範囲で変動する現行の形に改めた。

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