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【香港】利豊が株式非公開化を可決、27日上場廃止[商業](2020/05/14)

香港地場商社最大手の利豊(リー&フォン)は12日に臨時株主総会を開き、創業者の馮氏一族とシンガポールの物流不動産大手GLPが全ての株式を買い取り非公開化する議案を可決した。5月27日に上場廃止となる見通し。

GLPは15日に、馮氏一族の保有株を除く57億8,000万株を1株当たり1.25HKドル(約17円)で買い取る。取得額は72億HKドル超。13日付信報によると、1株当たりの買い取り価格は、2010年につけた過去最高値を9割余り下回る。買い取り価格に不満を持つ一部の株主が、非公開化に反対する意見書を提出する場面もあった。

馮国綸(ウィリアム・フォン)会長は「貿易業務に従事して40年余りがたつが、業界はかつてない危機に直面している」と説明。「個人株主がこの危機を同じ船で渡りたいと望んだとしても、それが沈む船かもしれない状況だ」と述べ、非公開化に理解を求めた。馮裕鈞(スペンサー・フォン)最高経営責任者(CEO)も「新型コロナウイルスの影響で主力の米国事業はリスクが高まっている」と危機感を示した。

馮会長は今回の非公開化について以前にも、「今の不確実な情勢で経営改革を進めるには執行リスクがあり、利益が実現するまでにより長い時間を要する」と説明しており、非公開化後に大掛かりな事業構造改革に踏み切る可能性を指摘する声も上がっている。

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