【インドネシア】自治体が相次ぎ移動制限[社会](2020/03/30)

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インドネシアで地方自治体が相次いで人の移動を制限する動きを見せている。新型コロナウイルスの感染地域が拡大する中、地方政府が独自に管轄地域内で道路の封鎖や、感染者の発生地域から来た人に自主隔離を義務付ける措置を講じ始めた。中央政府はこれまで、ロックダウン(都市封鎖)を実施する権限は政府にあるとしてきたが、マフド調整相(政治・法務・治安担当)は27日、人の移動制限を自治体が決定できるようにするための「地域隔離」に関する政令を近く公布すると明らかにした。

全国各地で放水車を使った消毒剤の散布が行われている(アンタラ通信)

全国各地で放水車を使った消毒剤の散布が行われている(アンタラ通信)

地元メディアによると、中ジャワ州テガル市のデディ市長は27日、30日から7月30日までの4カ月間、市内にアクセスできる道路50カ所をバリケードで封鎖すると発表した。市内に通じる道路は、市保健局事務所ビル前の通りだけに制限し、市内に入る人に対しては健康状態を確認するという。

ジョクジャカルタ特別州のハメンクブウォノ知事は26日、州外から来た人に対して14日間の自主隔離を要請。西ジャワ州タシクマラヤ市も31日から「地域限定のロックダウン」措置を実施し、市外からの長距離公共バスなどの乗り入れを禁止すると発表した。

東ジャワ州ボジョヌゴロ県は28日、感染地域から県内に入る県民に対して14日間の自主隔離を義務付けたほか、県外に通勤していた県民には在宅勤務を義務付けた。感染者がまだ確認されていないスマトラ島のブンクル州でも、ブンクル市のヘルミ市長が州知事に対して「ロックダウンを実施してほしい」と要請、市民には自宅待機を呼び掛けた。

パプア州では26日に旅客港湾が封鎖された。州内のセンタニ空港も来月9日までの14日間、定期便の運休を決めた。

ロックダウンの実施を求める声が高まっている背景には、政府が推奨する、他者との接触を避ける「ソーシャル・ディスタンシング」だけでは、もはや感染拡大を阻止する効果がみられないとの懸念がある。

インドネシア国内の感染者数は29日正午までに累計で1,285人、死者は114人となった。感染地域も日に日に広がっており、同日には全国34州のうち30州で感染者が確認された。

バンバン国民協議会(MPR)議長は27日、ジャカルタに出入りする人の移動を制限するロックダウンを講じるよう政府に要請、新型コロナウイルス感染症対策本部に対しては、港湾や空港などで水際対策をさらに強化するよう求めた。国家人権委員会やインドネシア大学医学部教授会も同様の要請を出した。

■政令で「地域隔離」の条件規定

マフド調整相によると、新たに制定する政令では、自治体がどのような場合に人の移動を制限できるのか、条件や規制内容について規定する。運輸省や貿易省など複数の関連省庁の間で調整を行った上で、自治体が地域隔離を実施できるかどうかを決定すると説明した。

地域隔離の実施中であっても、生活必需品を運搬する車両や船舶の輸送経路を遮断することは認めないと強調。生活用品を取り扱う商店やスーパーなども営業を継続することを認め、政府の監視下にはあるものの商店に住民が買い物に行くことも禁止しないと付け加えた。

国営アンタラ通信によると、週明けにも政令について何らかの決定を公表できる見通しという。

■「帰省禁止」する自治体も

学校が休校になり、企業の在宅勤務が奨励される中で、イスラム教の断食明け大祭(レバラン、今年は5月下旬)前後の長期休暇を待たずに地方への帰省を前倒しする人を阻止しようとする動きもみられ始めた。

毎年レバラン帰省シーズンには大勢の国民がジャカルタから地方都市に帰省したり、国内旅行したりする。昨年のレバランシーズンには、航空機やバスなどの公共交通機関を使って移動した人だけでも1,300万人以上に上った。

ファルル宗教相は「レバランに大勢が帰省すれば、故郷にいる家族や友人にもウイルスを拡散する恐れがある」と述べて帰省を自粛するよう呼び掛けた。

西ジャワ州のリドワン知事は、自らのインスタグラムに州内への帰省を禁止すると投稿した。帰省を強行した人に対しては、観察対象として14日間の自主隔離を義務付ける方針を明らかにした。

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