【タイ】ワイン販売エノテカ、バンコクに現法[食品](2020/03/10)
ワイン輸入販売のエノテカ(東京都港区)は9日、タイの首都バンコクに現地法人「エノテカ(タイランド)」を設立した。エノテカの100%出資で、卸売を中心としたワイン事業を展開する。中長期的に年間売り上げ10億円を目指している。
店頭価格2,500円程度以上のプレミアムワインを中心とした輸入販売を手掛ける。バンコクと南部プーケットのホテルやレストランが主なターゲットだ。
酒類の市場調査を行う英インターナショナル・ワイン・スピリッツ・リサーチ(IWSR)によると、タイのワインの小売市場は、2018年に4億2,000万米ドル(約430億円)余りに達し、シンガポールや台湾とほぼ同等規模。プレミアムワインが市場の大半を占める。富裕層や外国人観光客の増加に伴い、今後も年率3~4%の安定成長が見込まれている。
エノテカによると、タイで圧倒的な人気を誇るのはオーストラリア産。輸入関税が安いことに加え、ブドウ品種・シラーで造ったしっかりした濃さが、スパイシーな料理によく合うことが理由だ。ほかにニュージーランドや仏ボルドー産も人気という。
エノテカの海外拠点は、タイが6カ国・地域目。08年に香港に進出して以降、これまでにシンガポール、中国、韓国、台湾で事業を展開している。昨年はエノテカの全体売上の20%を海外事業が占めた。広報担当者は、NNAに対し、「アジアのワイン市場の可能性は大きく、最大市場である中国を基盤に、継続して新たな進出に向けた調査・検討を行っている」と説明した。
エノテカは1988年設立。アサヒビール傘下で、日本のほか中国や台湾ではワインの小売店も展開している。