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【マレーシア】スズキ四輪、4年ぶり参入か[車両](2020/02/21)

スズキが、マレーシアの複合企業(コングロマリット)ナザ・グループと組んで、マレーシア市場への再参入を検討しているもようだ。地元報道によると、両社の交渉は最終局面にあり、今年の早い段階で再参入するという。実現すれば、スズキにとって同国市場に約4年ぶりの復帰となるが、両社は報道に対するコメントを控えている。

20日付マレーシアン・リザーブが、業界筋の話として「パートナーシップ契約の締結に向け、スズキとナザの交渉は最終段階にある」と報じた。スズキがかつてマレーシアで販売していた、小型ハッチバック「スイフト」や小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「ジムニー」が、国内で再び販売されるとの見方だ。契約の対象は四輪車のみで、スズキの二輪車については現地の既存の販売体制に変更はないという。

スズキ本社の広報担当者は20日、NNAに対し、「現時点で発表できることはない」と話した。ナザも「正式にコメントできることはない」と回答した。

スズキのマレーシア市場への再参入については、昨年半ばにも地場コングロマリット、ベルジャヤ・グループが、スズキと販売代理店契約の締結を模索しているとの報道があったが、その後にベルジャヤが否定していた。

■現地組み立て視野か

今回、交渉相手として浮上しているナザは、18年に傘下のナザ・オートモーティブ・マニュファクチャリング(NAM)の株式56%をフランスの自動車大手グループPSA(旧プジョー・シトロエン・グループ)に売却し、合弁契約を締結。PSAは、マレーシアを東南アジア域内の輸出拠点とし、NAMを通じて組立・販売を手掛けている。

ある自動車産業アナリストはNNAに対し、「スズキはアジア戦略において、ASEAN(東南アジア諸国連合)は(国ごとに生産・販売を完結する)地産地消、インドは国内・アフリカ向けと位置付けている」と説明。「ナザと組むのであれば、域内の生産拠点から完全ノックダウン(CKD)部品を輸入し、組み立て生産することが想定できる」と指摘した。

スズキは、東南アジアではタイとインドネシア、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、フィリピンの6カ国に販売拠点を置き、フィリピンを除く5カ国では生産も手掛けている。直近の年次報告書によると、18年度の東南アジア市場の販売台数(タイ、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、フィリピンの5カ国)は前年度比4.0%増の17万8,000台で、海外市場全体の約7%を占めた。

国別の販売台数は、インドネシアが11万1,000台で最も多く、以下、タイが2万8,000台、フィリピンが2万台、ミャンマーが1万2,000台、ベトナムが8,000台となっている。

スズキはマレーシアで、地場コングロマリット、DRBハイコムが設立したスズキ・マレーシア・オートモービル(SMA)を通じて、05年に四輪車の販売を開始。08年には合弁体制に移行し、DRBハイコムのパハン州ペカン工場でスイフトの生産を始めた。だが、15年に地場国民車メーカー、プロトン・ホールディングスと結んだ協業契約を機に、翌16年にDRBハイコムとの合弁を解消し、スズキブランド車の販売を終了。プロトンには、小型多目的車(MPV)「エルティガ」のCKD部品を供給していたが、契約満了に伴い、18年に協力関係を解消していた。

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