【カンボジア】夜勤の賃金引き下げ検討、労組から反発も[経済](2020/01/17)
カンボジア労働省は、労働法改正によって夜勤の割増賃金を廃止し、日勤の水準に引き下げようとしている。国際的な競争力強化のためと説明しているが、労組などからは反発する声が上がっている。プノンペン・ポスト(電子版)が13日伝えた。
イット・サムヘン労働相は先週、関係各方面に労働法改正案の要点を書面で通達した。改正案では振替休日の廃止や、現行法で日勤の1.3倍と定められている夜勤の割増賃金の廃止がうたわれている。同省では16日に国際労働機関(ILO)と共同で、関係各方面を交えた協議会を開くとしている。
この動きに対し、労働者運動集団連盟(CUMW)のパブ・シナ会長は、夜間割増賃金と振替休日の廃止は雇用者側の要請によるものだと指摘。「労働省は労働者の利益に関心を持つべきなのに、工場主のことばかり考えている」と批判した。
また、カンボジア衣料業界労働者民主組合連合(CCAWDU)のアト・トーン代表は、「夜間賃金の割増率を1.5倍から1.3倍に引き下げた2007年の改正に続き、労働者の利益が損なわれる内容だ」と批判した。