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【香港】8月の旅行客39%減、SARS以降で最悪[観光](2019/10/02)

香港政府観光局(HKTB)は9月30日、8月に香港を訪れた旅行客数が前年同月比39.1%減の359万571人(延べ人数、以下同じ)だったと発表した。1日付香港各紙によると、落ち込み幅は新型肺炎(SARS)の流行で旅行客が激減した2003年以降で最大。前月比でも30.9%減少した。「逃亡犯条例」改正案に端を発した抗議活動が香港国際空港(チェクラプコク空港)などに波及し、多数の欠航便が出たことで、中国本土やその他の国に香港旅行を敬遠する機運がいっそう広がった形だ。

国・地域別でみると、香港の観光業を支える本土の旅行客が前年同月比42.3%減の278万2,897人と、減少率が最も大きかった。本土を除く近隣国・地域は26.5%減の510万219人。タイ(40.1%減の2万325人)、シンガポール(39.5%減の2万2,842人)、韓国(36.1%減の7万2,166人)、台湾(35.8%減の10万7,702人)、マレーシア(35.5%減の1万9,763人)などは軒並み3割を超える落ち込みとなった。日本は8万9,120人で25.2%の減少。

マカオは唯一増加となり、6.9%増の10万6,591人だった。

遠距離国は20.6%減の25万5,082人。米国が25.5%減の6万6,364人で落ち込みが最大だった。オーストラリアがこれに次ぐ落ち込みで25.3%減の2万9,957人、カナダは23.5%減の2万169人だった。

新興国は23.3%減の4万2,373人。中でもベトナムは43.2%減の2,826人と、最大の落ち込みになった。インドは1万9,215人で23.0%減、ロシアは24.2%減の7,703人だった。

8月の宿泊客は前年同月比45.9%減の153万7,977人となり、半分近くに落ち込んだ。本土は50.2%減の106万9,933人で、前年水準の2分の1を割り込んだ。1日付信報によると、8月のホテル客室稼働率は66%に落ち込んだ。

1~8月の累計旅行客数は4,365万9,396人で前年同期比4.0%増。うち本土は4.9%増の3,451万7,102人と、いずれもプラス成長は確保している。

ただ、香港を訪れる旅行客は9月以降、一段と減少している可能性がある。観光ガイドの労働組合団体、香港専業導遊総工会の余莉華理事長は、本土のツアー(団体)客が今年のピーク時は毎日100組を超えていたが、9月は8~10組に激減し、今週の中国国慶節(建国記念日)連休(1~7日)は、1組もない旅行代理店が少なくないと話した。

HKTBの広報担当者は、今後適切な時期を選んで、業界とともに海外の有力市場で大規模な香港観光キャンペーンを実施する予定だと明らかにした。「香港は安全な旅行先」とのイメージを1日も早く回復したいとしている。

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