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【タイ】武田薬品、希少疾患の研究・治療改善を支援[医薬](2019/09/06)

武田薬品工業のタイ法人、武田タイランドは5日、患者数が少ない希少疾患の調査・研究や診断、治療の改善に向けて、国内の7つの医療機関や患者支援団体と覚書(MOU)を締結した。武田タイランドが同分野でMOUを締結するのは初めて。タイでは多くの希少疾患が存在する一方で、医療関係者や国民の希少疾患に対する意識は低く、誤診や死亡率も高いことから、現状の改善を図る。

タイの7つの機関・団体と希少疾患の調査・研究や診断、治療の改善に向けた協力に関する覚書を交わした武田タイランドのシュトライブル社長(左から2人目)=5日、タイ・バンコク(NNA撮影)

タイの7つの機関・団体と希少疾患の調査・研究や診断、治療の改善に向けた協力に関する覚書を交わした武田タイランドのシュトライブル社長(左から2人目)=5日、タイ・バンコク(NNA撮影)

提携先には、タイ医療協会(MAT)、タイ・アレルギー・ぜんそく・免疫学協会、タイ希少疾患基金などが含まれる。MOUの期間は5年で、◇希少疾患の調査・研究◇診断技術の改善に向けた支援◇医療関係者や患者向けの教育プログラム◇国民の希少疾患に対する意識向上に向けた啓発活動◇希少疾患に関するデータベースの構築支援◇政策策定の支援――などを実施する。

武田タイランドのピーター・シュトライブル社長は記者団に対して、「武田タイランドの設立50周年という節目の年に新たな事業を始められることを光栄に思う」とコメント。患者のニーズに応えることを最優先し、研究開発(R&D)に注力しているとした上で、「まずはタイ国民の希少疾患に対する意識を向上させることが重要だ」との考えを示した。

マヒドン大学ラマティボディ病院のドゥアンルディー医師によると、タイではこれまでに約300種類の希少疾患が確認されており、患者数は約5,000人。ただ、患者本人が症状を自覚していないケースがあるほか、医師による誤診率も40%と高く、実際の患者数はこれを上回るとされる。希少疾患の8割が遺伝的要因とみられ、半数は幼少期に発症し、その3人に1人が5歳になる前に死亡しているという。

タイにいる希少疾患の専門医はわずか20人で、このうち19人がバンコクにいる。治療費や医薬品の購入費は国の保険制度の適用外となり自己負担になることから、適切な処置を受けられず命を落とすケースも多いとされる。

世界には、約7,000種類の希少疾患が存在するといわれている。筋肉の萎縮と筋力低下が進む筋萎縮性側索硬化症(ALS)や重篤なぜんそくなどが含まれる。

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