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【シンガポール】鳥取のダジャレ知事、初のトップセールス[観光](2019/08/05)

「スタバはないけどスナバはある」「カニはいるけどカネはない」などダジャレで有名な鳥取県の平井伸治知事は、1~2日にシンガポールで、インバウンド(訪日観光客)を誘致するトップセールスを初めて実施した。現地のインフルエンサー(ネット上で影響力を持つ個人)やクリエーターを通じたプロモーションのほか、ラジオ番組での料理の食べ比べなど一味変わった手法で県の魅力をアピールした。

シンガポールのインフルエンサーらに鳥取県の魅力をアピールする平井知事=1日、シンガポール中心部(NNA撮影)

シンガポールのインフルエンサーらに鳥取県の魅力をアピールする平井知事=1日、シンガポール中心部(NNA撮影)

平井知事は1日に開催したインフルエンサー、クリエーター向けの交流会で、シンガポールの郷土料理チキンライスを口にした上で、「鳥取県はチキンをキャッチする県。ぜひ捕まえに来て」と自慢のダジャレを披露した。

2日には、シンガポール東部で開催されたシンガポール全国旅行代理店協会(NATAS)の旅行博に参加し、県の魅力をPRした。同日夕方には現地ラジオ番組に出演。シンガポールと日本のカニ料理の食べ比べをした。

鳥取県は東アジアからが中心だった外国人旅行者を多様化する戦略を進めている。シンガポールでは2016年から観光誘致に注力しており、今回の知事訪問もこの戦略の一環となる。

現地ではこれまで、インフルエンサーやクリエーター、メディアとの関係構築に注力した結果、県へのインフルエンサーの招聘(しょうへい)や、シンガポールのクリエーターによる県のPR動画制作などの実績が出た。

平井知事はNNAの取材に対し、「特に最近は日韓関係の冷え込みで、韓国からの旅行者が激減している。観光客の国・地域を多様化する必要がある」と説明。東南アジアからの誘客が重要性を増していることを強調した。

県産品のシンガポール向け輸出にも力を入れていく方針も明らかにした。現在はナシや日本酒、ベニズワイガニの加工品などを中心に出荷しているが、今後はマツバガニなどより高価格帯の水産品の販売を促進する意向を示した。

県の観光戦略課によると、鳥取県を訪れた外国人観光客は18年に14万3,660人(延べ宿泊者数ベース)となり、前年比15%増加した。特にシンガポールからの観光客は、前年比2.3倍の1,790人と伸び率が高い。一方、シェア最大の韓国は9%減の4万5,140人だった。

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