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【台湾】鴻海、新iPhoneをインド生産か[IT](2019/07/09)

EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海精密工業が、今年9月に発表される予定の米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」新機種の生産を、8月からインドで開始するとの観測が出ている。事実であれば、新機種は中国工場で生産してきたこれまでの経営方針を変更することになる。8日付経済日報が伝えた。

鴻海はiPhoneの生産に関して、新機種は中国工場で、旧機種は中国以外の工場で生産することを基本方針としてきた。しかし、今年は米中貿易摩擦の行方が不透明な中、中国の生産比率を引き下げたいアップルの意向に応じて、新機種を主にインドで生産することにしたという。

関係者によると、当初の生産量は1カ月当たり25万台で、主にインド市場に供給。将来的には生産量の7~8割をインド以外の市場に供給する可能性もある。

鴻海は同観測に対して、「顧客や製品、サプライヤーに関するうわさについてのコメントは、一貫して控える」と明言を避けた。

■部品サプライヤー、7月末から恩恵

iPhone新機種向けの部品供給は例年通り7月末から始まり、8月にピークを迎える見通し。台湾サプライヤーの同時期の業績押し上げに貢献するとみられる。

関係者によると、iPhone新機種の台湾サプライヤーは昨年の新機種生産時とおおむね同じ。プロセッサーの組立は台湾積体電路製造(TSMC)が、音声認識部品の製造は康而富控股(康控、コンクラフト)や美律実業(メリーエレクトロニクス)が請け負う。レンズモジュールの製造は主に大立光電(ラーガン・プレシジョン)が、きょう体の製造は鴻準精密工業(フォックスコンテック)や可成科技(キャッチャー)などが手掛ける。

鴻海や同じくEMS大手の和碩聯合科技(ペガトロン)など最終的な組立を手掛ける企業が恩恵を受けるのは9月になる見通し。

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