【ミャンマー】ミャンマー活性化へ、「みゃんこん」結成[経済](2019/05/22)
日本で全国に広がりを見せている鎌倉発の地域活性化プラットフォーム「カマコン」の手法を取り入れ、ミャンマーを盛り上げるための「みゃんこん」が18日、最大都市ヤンゴンで発足した。仕掛け人は民政移管後に増えた社会起業家ら。カマコン発起人の一人である面白法人カヤック(鎌倉市)の柳澤大輔代表も訪れ、19日に講演した。
2013年に始まったカマコンでは、鎌倉を愛する多様な立場の人が、地元の社会資本や環境資本を生かした活性化について意見を出し合い、まとまったアイデアを実現。座禅を絡めたハッカソン(技術者がアイデアを競うイベント)から食堂運営まで取り組みは幅広い。話し合いでのブレスト(ブレインストーミング)の効果が着目され、日本国内37カ所に広がった。海外ではミャンマーが初めてだ。
「みゃんこん」発起人の一人である中原一就さん(29)は、貧困層の居住区など社会課題のある現場を巡るツアーを組む旅行業や農家支援につなげるための飲食業を手掛ける。在住6年になるが、発展途上のミャンマーを見下す発言を周囲で聞き、落胆したこともあった。昨年末、「自分たちでミャンマーを良くし、『面白く』していくやさしいコミュニティーを作ろう」と仲間2人と一念発起。昨年12月に設立した日本人起業家ネットワーク「WAOJE」(World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs)ヤンゴンと協力し「みゃんこん」を実現した。
18日に行われた初の「みゃんこん」には、駐在員や主婦、学生など50人余りが参加。柳澤氏も加わったブレストで「格好いいトイレ掃除を根付かせる」「クラウドファンディングの実現」など4テーマで意見を出し合った。柳澤氏は講演で、海外の日本人移住者が持つ結束力や対象国への向き合い方に触れ、さまざまな試みが「日本より早いスピードで実現できるのではないか」と述べた。中原さんは「活性化案を実現する際には、ミャンマー人を巻き込んでいきたい」と話す。
民政移管時に500人余りだったミャンマーの在留邦人は現在までに約2,600人となった。経済発展に伴う企業進出が進む一方で、個人事業主や社会起業家も増え、その活動や視点も新たな広がりを見せ始めている。