【フィリピン】比看護師・福祉士候補生308人、来月日本へ[経済](2019/05/22)
日本・フィリピン経済連携協定(JPEPA)の枠組みで、日本で看護師や介護福祉士として働くことを目指す、フィリピン人候補者の第11陣の国内研修が21日に終了した。候補者は308人で、日本に向け来月出発する。介護福祉士は、4月に開始した新たな在留資格「特定技能」への移行も可能だ。
マニラ首都圏タギッグ市の技術教育技能開発庁(TESDA)で21日、研修閉講式が行われた。TESDAなど3機関で日本語能力に基づく全19クラスが設置され、看護師候補者41人、介護福祉士候補者267人が半年間の研修を終えた。
候補者は来日後も、海外産業人材育成協会(AOTS)が実施する半年間の研修を受講する。その後、各受け入れ施設で就労・研修を行いながら国家試験に挑戦する。在留できる期間は看護師候補者が3年、介護福祉士候補者が4年。看護師候補者は期間中に最大3回、介護福祉士候補者は4年目に1回、国家試験を受験できる。一定の条件を満たす者は1年間の滞在延長が可能で、国家試験に合格すれば、日本での就労が可能となる。
日本はEPAに基づき、08年にインドネシア、09年にフィリピン、14年にベトナムから各候補者の受け入れを開始。3カ国からこれまでに約4,300人が来日している。
国家試験で合格したフィリピン人候補者は、今年の試験で看護師が31人、昨年の試験で介護福祉士が95人だった。
■特定技能の試験免除
厚生労働省と法務省はこのほど、4月に開始した在留資格「特定技能」の外国人受け入れに関する運用要領を一部改訂した。
EPAに基づき来日した介護福祉士候補者について、日本で4年以上就労し、国家試験で合格点の5割以上の得点を取得している場合、試験を受けずに「特定技能」への移行が可能となる。移行後はさらに最長5年間の就労資格が与えられる。
日本の介護人材は、2025年に約34万人が不足すると試算されている。