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【インド】NEC、農村サービスの政府系企業に出資[IT](2019/05/16)

全国に30万カ所あるCSCの共通サービスセンター(NEC提供)

全国に30万カ所あるCSCの共通サービスセンター(NEC提供)

NECは15日、インド政府系のCSC eガバナンス・サービシズ・インディア(CSC)に出資すると発表した。CSCはインドの農村地域に住む約9億人に向けて、ITを活用した公共、金融、医療、教育にまたがる各種サービスを提供している。NECは出資を機にCSCと共同で、新たなサービスの開発に取り組む。

NECはインド子会社のNECテクノロジーズ・インディア(NECTI)を通じて10%以上を出資し、CSCの第3位株主となる。出資額は非公表。6月中に出資手続きを完了する予定。

CSCは、約30万カ所ある共通サービスセンターを通じて、地域住民に向けて行政書類の発行や補助金の交付といった公共サービス、出入金や少額融資といった銀行サービスに加え、健康診断や職業訓練など計300種類以上のサービスを行っている。NECTIは人工知能(AI)やビッグデータ解析技術を用いて共通サービスセンターを経由する莫大なデータを分析し、金融、教育、ヘルスケアなどの分野で新しいデジタルサービスの開発を目指す。

NECTIは2017年にCSCと提携し、同社に金融サービス向けシステムを納入済み。共通サービスセンターの近くに住む住民はNECのシステムによって、遠く離れた銀行の窓口や現金自動預払機(ATM)まで行かなくても、サービスセンター内で出入金や振り込みといった基本的な銀行サービスを受けられるようになったという。

NECTIは06年の設立で、首都ニューデリーと北部ノイダ、西部ムンバイ、南部チェンナイ、ベンガルール(バンガロール)の5拠点体制で事業を行っている。

NECは中期経営計画(18~20年度)でインドを最重要市場と位置付け、高い成長を見据えている。グループ全体でのインド売上高は約400億円。公共安全や物流、輸送といった重点分野へのITシステム供給を通じて、インド事業をさらに拡大していく計画だ。

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