【ミャンマー】ロイター記者釈放、欧州との関係改善に期待[経済](2019/05/14)
イスラム教徒少数民族ロヒンギャの報道を巡って有罪判決を受けたロイター通信のミャンマー人記者2人が、大統領恩赦で釈放されたことについて、欧州のビジネス関係者らは、ミャンマーと欧州連合(EU)間の緊張緩和につながる重要な一歩との考えを示した。一方で、EUの一般特恵関税制度(GSP)の適用継続のためには、人権問題などでさらなる改善が必要とも指摘している。ミャンマー・タイムズ(電子版)が12日伝えた。
在ミャンマー欧州商工会議所(ユーロチャム)のフィリップ・ローリセン理事は、ロイター記者釈放を「前向きな一歩」と評価したが、「EUによるミャンマーの人権侵害の調査を終わらせるには不十分」と述べた。
香港を拠点とするニューアジア・プロパティー・コンサルタンツの役員で、英国商工会議所の元会頭トニー・ピコン氏は「2人の記者の釈放を歓迎するが、(ロヒンギャの居住地である)西部ラカイン州の問題は解決していない。海外の投資家を納得させるためには、紛争地の人権侵害や労働者の権利保護などで、さらなる改善が必要」と話した。
ミャンマー企業の社会的責任(CSR)促進を目指す団体「責任ある事業のためのミャンマー・センター(MCRB)」のヴィッキー・ボウマン所長も、「記者の釈放は、EUが重視する『報道の自由』の象徴的な事案における前進だが、それだけで全体的な人権状況が改善したとは言えない」との見解を示した。