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【シンガポール】TIS、行動分析AIの新興企業と提携[IT](2019/05/10)

システム開発やシステムインテグレーションなどを手掛けるTISインテックグループのTIS(東京都新宿区)は9日、シンガポールの人工知能(AI)新興企業スクリーム・テクノロジーズと資本・業務提携したと発表した。TISがスクリームに出資した。出資額と出資比率は非公表。日本と東南アジアでの事業基盤の強化につなげる考えだ。

TISがシンガポールの企業に出資するのは初めて。タイ、インドネシア、ベトナムでも現地のIT企業と提携している。

スクリームは、独自のAI技術と大量データの取得技術を組み合わせ、人の行動やその文脈、ロジックなどを分析する「行動パターン分析プラットフォーム」を開発し、デジタル広告サービスを展開している。60カ国の30億人から収集した45万パターンの行動情報を15万件の商品情報と関連付けて蓄積しており、消費者のペルソナ(人物像)や嗜好に合わせた効果的なデジタル広告が展開できるという。

スクリームの技術は広告だけでなく、選挙結果の予測、犯罪組織の特定、金融取引での不正検知、市場分析、企業の戦略策定に生かすことも可能。同社の従業員数は数十人で、世界40カ国に100社以上の顧客を持つ。顧客には企業だけでなく政府機関も含まれている。

スクリームとは今後、TISが持つ製造業や金融機関に関する業務知識を活かし、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)でカスタマーインサイト、不正検知、市場分析の分野で協業する。

TISの担当者によると、同社は成長潜在性の高いASEAN市場を重視。今後は現在拠点がある、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム以外の国への進出を検討していくという。

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