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【ミャンマー】介護人材育成で学校新設、日系が政府と協力[経済](2019/03/12)

日本・ミャンマーの合弁で介護人材を養成する「ポールスターカイゴサービス」は、ミャンマー保健・スポーツ省と協力し、最大都市ヤンゴンのヤンゴン総合病院内で、日本語と介護技術を学ぶ訓練校を開校した。11日には、第1期生となる約90人の生徒が参加した式典を実施。この先、日本とミャンマー両国で活躍できる人材を輩出していく。

ヤンゴン総合病院内に設けられた訓練校で、日本製の介護ベッドを視察するミン・トゥエ保健・スポーツ相(右から2人目)=11日、ヤンゴン(NNA)

ヤンゴン総合病院内に設けられた訓練校で、日本製の介護ベッドを視察するミン・トゥエ保健・スポーツ相(右から2人目)=11日、ヤンゴン(NNA)

ポールスターカイゴサービスは2015年、介護関連事業を行う「さくらコミュニティサービス」(札幌市)と「笑顔いちばん」(岐阜市)がミャンマー企業と合弁で設立。今年1月以降、介護職種の技能実習生を計5人、日本へ送り出した。

今回の訓練校では、保健・スポーツ省がヤンゴン総合病院内の施設とミャンマー看護師などの人材を供与、ポールスターカイゴサービスが日本の介護技術者による訓練や日本語の指導、教科書、介護用具の提供を行う形で相互協力する。ミャンマーの公的施設に日本の技術を導入した介護訓練校が設けられるのは初めてだ。

ミン・トゥエ保健・スポーツ相は式典で「日本は世界トップの介護技術を持つ国であり、訓練生はしっかり学んで(活躍の場を得る)チャンスをつかんでほしい」と語った。

訓練校は、日本語や介護の知識を座学で学ぶ教室2部屋、日本製の車いすやベッド、食事の際の補助具などを使う実習室1部屋、事務室1室からなり、半年コースで約100人を受け入れる。ミャンマーでは介護人材として日本で働く意欲を持つ人が多く、第1期は約180人の応募があったが、授業で必要な英語能力の要件などをもとに94人を選抜した。

■日本送り出しは修了生の半分

国連人口基金(UNFPA)によると、現在のミャンマーの60歳以上人口の割合は10%台と低いが、2025年には13%、50年には24%に達すると予測されている。看護師や介護士など医療補助人材の不足が課題となっており、今回の保健・スポーツ省との契約では、訓練校で規定のコースを終えた学生のうち半数のみを日本に送り出すことが定められたという。

さくらコミュニティーサービス(CS)ホールディングスの中元秀昭・最高経営責任者(CEO)は「日本の高齢化が進む中、外国人介護人材の受け入れはどんどん必要になるが、ミャンマー人材は相対的にもモチベーションがとても高い」と話す。

ミャンマーでは、同社のほか、ヤンゴンに拠点を置く日系の人材紹介・派遣会社、ジェイサット(J―SAT)、技術者派遣や開発・設計などの受託事業を手掛けるアルプス技研も、日本語ができる介護人材の養成・日本への送り出しを行っている。

この先、介護技術と日本語を学ぶ学生たち=11日、ヤンゴン(NNA)

この先、介護技術と日本語を学ぶ学生たち=11日、ヤンゴン(NNA)

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