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【フィリピン】JCB、ゴコンウェイ財閥の商銀と提携[金融](2019/03/05)

JCBの海外事業子会社JCBインターナショナル(JCBI)は4日、フィリピンのゴコンウェイ財閥の商業銀行ロビンソンズ・バンクと業務提携を結んだ。フィリピンの格安航空会社(LCC)セブ・パシフィック航空をはじめとするゴコンウェイ・グループの企業で、JCBカードの利用が可能となる。他ブランドとの差異化を図り、「アジアに強い」イメージを確立させる。

署名式典に参加したJCBIの今田社長(写真中央)、JGサミットのゴコンウェイ会長(左から2人目)ら=4日、首都圏ケソン市(NNA撮影)

署名式典に参加したJCBIの今田社長(写真中央)、JGサミットのゴコンウェイ会長(左から2人目)ら=4日、首都圏ケソン市(NNA撮影)

JCBマニラ支店の浅野幹久支店長は、ロビンソンズ・バンクが大手加盟店となり得る企業をグループ内に保有していることが提携の主な理由と説明した。

ロビンソンズ・バンクは、ゴコンウェイ・グループの持ち株会社JGサミット・ホールディングスの子会社。JGサミットは、セブ・パシフィック航空のほか、小売りロビンソンズ・リテール、不動産開発ロビンソンズ・ランド(RLC)、食品ユニバーサル・ロビナ(URC)などを傘下に抱える。

JGサミットのランス・ゴコンウェイ会長は、セブ・パシフィック航空がフィリピンから日本各地に就航していることに触れ、「提携が二国間の観光振興にも貢献すると期待している」と話した。

JCBカードの発行で提携するフィリピン国内の金融機関は、商銀最大手BDOユニバンク、リサール商業銀行(RCBC)に続き3行目となる。フィリピンでJCBカードの加盟店の獲得と管理を手掛ける提携先は、金融機関以外を含め7社となった。

浅野氏はフィリピン市場について、「世界市場の成長率を大きく上回っており、カードを利用できる店舗数も飛躍的に増えている。引き続き、地場有力企業と提携に向けた協議を加速していく」と語った。

■「アジアに強い」ブランド確立へ

JCBIの今田公久社長は「過去7~8年は東南アジア諸国連合(ASEAN)市場に注力してきた」と指摘。「アジア市場開拓の鍵は、1人当たりの国内総生産(GDP)と人口で、フィリピンはどちらもポテンシャルが高い。GDPが2,000~1万米ドル(約22万4,000~111万9,000円)への成長期がカードの発行も伸びる」と説明した。

今田氏は「ベトナムでJCBカードのシェアは10%以上を占める。フィリピンも発行数の多いタイ、インドネシア、ベトナムと同等の成長を目指していく。将来的にはシェア15%を狙う」と意気込んだ。

JCBカードは、アジアで中間所得層~富裕層を主な顧客対象とする。「フィリピンでは米マスターカードがシェア首位だが、『アジアに強い』ブランドとして、さまざまな優待・特典で優位性を保ち、他社との差異化を図っていきたい」と話した。

JCBの加盟店は全世界で約3,000万店、会員数は1億2,000万人という。

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