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【マレーシア】経産省、KLでオーラルケアのセミナー開催[医薬](2019/01/29)

日本の経済産業省は28日、マレーシアの首都クアラルンプールで、マレーシア公衆歯科衛生専門家協会(MADPHS)、マレーシア歯科療法士協会(MDTA)と「オーラルヘルス・セミナー2019」を共催した。同セミナーには両協会やマレーシア保健省の関係者、研究者、流通関係者など約250人が参加した。日系企業3社が展示ブースを設け、協会関係者などに自社商品をPRした。同セミナーは昨年に続き、今回で2回目となる。

日本では、80才で20本以上の歯を保つよう啓発する「8020運動」が1989年に始まり、2016年には同目標を達成する人が50%を超えた。

深井保健科学研究所の深井穫博所長は「健康的な加齢とオーラルヘルス」と題した講演で、マレーシアの現状について、75歳以上で20本の歯を維持する高齢者は19.5%にとどまると説明。人口当たりの歯科医院数は、日本が1,250人当たり1院、マレーシアが4,406人当たり1院と、日本の方が歯科医院にアクセスしやすい環境にあると解説した。

加えて深井所長は、オーラルヘルスが健康や長寿に多大な影響を与えると指摘。「食べ物を『噛む力』が残っているほど、栄養バランスの取れた食事が可能になる」と話した。このことから、オーラルヘルスへの意識改革や口内診療対象の健康保健システムの構築が重要になるとの見解を示した。

■サンスター、マウスウォッシュが好調

ライオン、サンスター、日本ゼトックの3社は、自社プレゼンテーションや商品展示を行った。サンスターの担当者は「マレーシアではマウスウォッシュの販売が好調だ。売上高の約3割を占める」と説明。OEM(相手先ブランド生産)によるハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)認証を取得していることから、中華系に加えてマレー系の顧客も多い。「ラマダン(イスラム教の断食月)時期に売り上げが伸びる傾向も見られ、祈祷の際に身体を清める中でマウスウォッシュが使われている可能性もある」と話した。

東南アジア地域のオーラルケア市場では、米コルゲートが高いシェアを持つ。サンスターの担当者は「小売り市場は競争が激しい。小売りとは別の軸で、歯科医師など専門家にブランド周知を進めることも重要」と指摘。日本で販売する一部のサンスターの商品には「8020運動推奨マーク」が付いているため、マレーシアでも専門家の「お墨付き」を得るなど、同様の展開を模索している。

「オーラルヘルス・セミナー2019」には、歯科関係者など約250人が参加した=28日、クアラルンプール(NNA撮影)

「オーラルヘルス・セミナー2019」には、歯科関係者など約250人が参加した=28日、クアラルンプール(NNA撮影)

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